メインコンテンツへスキップ
最新ニュース 4分で読める

Amazon、物流網を外部企業へ開放 AWS型インフラ戦略として展開

PlusWeb3 編集部
PlusWeb3 編集部 Web3・AI専門メディア

米Amazonは物流サービス群ASCSを正式に発表した。
これまで自社と出品事業者向けに構築してきた物流網を外部企業へ開放し、輸送・保管・配送を包括提供する。
クラウド市場を変革したAWSになぞらえ、“物流版AWS”として注目を集めている。

Amazon、物流基盤を幅広い業界へ開放 

2026年5月4日、Amazonが発表した「Amazon Supply Chain Services(ASCS)」は、海上・航空・陸上輸送から倉庫保管、在庫配置、配送までを一体提供する総合物流サービスである。
従来はAmazon内のEC事業や出品事業者向けに最適化されていた物流網を、一般企業にも開放する形となる。

Amazonは約30年にわたり、高速で信頼性の高い配送を購買体験の中核と位置づけ、自社ECを支える物流網を拡張してきた。
実際、同社はFBA(フルフィルメント by Amazon)を通じて、2006年以降に800億点超の商品配送を支援している。
さらに近年は、Amazon外の販売チャネル向け配送も拡大しており、数十万規模の出品事業者が同社物流網を利用しているという。

今回のASCSは、こうした物流支援をさらに発展させ、Amazon物流網そのものを外部企業向けインフラとして提供する取り組みと位置づけられる。
AWS(Amazon Web Services)が自社向けサーバー基盤をクラウドとして外販したように、物流機能そのものをサービス化する戦略として注目されている。

対象は小売だけではない。
発表によれば、ヘルスケア、自動車、製造業など幅広い業界を想定しており、すでに米P&Gや3M、Lands’ End、American Eagle Outfittersなどが導入を開始している。
P&Gは原材料輸送や完成品流通にAmazonの輸送網を活用し、American Eagleは自社EC配送にAmazonの宅配ネットワークを採用した。

物流は「所有」から「利用」へ変わるのか 

ASCSのメリットとして注目できるのは、物流機能を“必要な分だけ利用する”発想が広がる可能性にある。
従来は大規模投資が必要だった物流網を外部利用できれば、D2Cブランドや中堅企業でも高度な配送体験を実現しやすくなるだろう。
加えて、需要予測や在庫最適化まで含めたデータ活用が進めば、物流の効率化とAI活用が一段と加速する可能性もある。

一方で、Amazon依存の強まりには警戒感も残りそうだ。
EC、クラウド、広告に続き物流まで同社基盤へ集約されれば、企業活動の重要領域が一社に集中する構造が進みかねない。
さらに物流は各国の規制や労働環境の影響を受けやすく、配送遅延や障害時には社会インフラとしてのリスクが拡大する懸念もあるだろう。

今後は、「物流のクラウド化」がどこまで定着するかが焦点になりそうだ。
ASCSが普及すれば、企業は物流資産を自前保有するよりも、必要機能を外部サービスとして組み合わせる方向へ移行する可能性がある。
もしこの流れが本格化すれば、物流業界は“輸送業”から“データ駆動型インフラ産業”へ再定義されていくかもしれない。

Amazon ニュースリリース

関連記事:

Uber TechnologiesがExpedia Groupと提携 アプリ内ホテル予約で旅行体験を一体化

RELATED ARTICLEUber TechnologiesがExpedia Groupと提携 アプリ内ホテル予約で旅行体験を一体化Uber Technologiesは、年次イベントでホテル予約を含む旅行関連機能…Read

JERAとAWSが電力×AIで連携強化 データセンター需要拡大が産業構造を変える

RELATED ARTICLEJERAとAWSが電力×AIで連携強化 データセンター需要拡大が産業構造を変える2026年2月5日、日本の発電大手JERAが米Amazon Web Servic…Read

T2、自動運転トラックで関東関西を1日1往復実証 レベル4前提の連続運行へ物流7社が協力

RELATED ARTICLET2、自動運転トラックで関東関西を1日1往復実証 レベル4前提の連続運行へ物流7社が協力株式会社T2は、国内初となる自動運転トラックを用いて関東・関西間で「1日1往復」…Read
Share this article コピーしました
WRITTEN BY

PlusWeb3 編集部

Web3・AI専門メディア

PlusWeb3 編集部は、ブロックチェーン・Web3・AIの最新動向をわかりやすくお届けする専門メディアチームです。業界経験豊富な編集者とリサーチャーが、信頼性の高い情報を厳選してお届けします。

この記事が役に立ったら、ニュースレターも登録しませんか?

Web3・AI業界の厳選ニュースを定期配信。いつでも解除可能。

スパムは送りません。プライバシーポリシーに基づいて管理します。

コピーしました

Web3・AI・ディープテック領域のキャリアに興味がありますか?

業界特化メディアを運営する専門エージェントが、企業のカルチャー・技術スタック・選考ポイントまで踏まえてキャリアをご提案します。相談は完全無料です。