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豪政府がAIとデータセンターの国家基準を法制化へ 著作権保護と環境負荷軽減を厳格化

PlusWeb3 編集部
PlusWeb3 編集部 Web3・AI専門メディア

2026年7月15日、オーストラリアのアルバネーゼ政権は世界初となるAIおよび大規模データセンターに関する国家基準の策定と法制化を発表した。クリエイターの権利保護やエネルギー負担を柱とし、2027年初頭の法制化を目指す。

オーストラリア、世界初のAI・データセンター法制化へ

オーストラリアのアルバネーゼ労働党政権は、AI技術の発展と普及に伴う課題に対応するため、包括的な国家規格「オーストラリアAI規格」を導入する方針を打ち出した。同国政府は首相府および内閣府内に「AI局」を新設し、全国レベルでの規格適用と承認プロセスの明確化を急速に進める。政府の発表によれば、本枠組みは2026年8月の国家内閣で検討された後、2027年初頭の法制化が予定されているという。

今回の法規制における最大の焦点は、大規模データセンターに対する具体的なルールの適用と、国内のクリエイターに対する著作権保護の徹底である。大規模データセンターに対しては、新規電力供給の保証や接続コストの全額負担を義務付けるほか、必要に応じた節水や送電網強化のための電力削減も求める構えだ。

さらに著作権分野においては、作家やジャーナリストなどのクリエイターが自らの作品の所有権を維持できる仕組みを構築する。これにより、いかなる企業であっても権利者の同意なしにオーストラリアのコンテンツをAI学習へ利用することが禁じられる(※)。あわせて既存の「AI安全研究所」を基盤に、消費者保護の優先基準も順次示していく計画である。

※AI学習への利用制限:生成AIなどのモデル訓練に既存の文章や画像、映像等のデータを読み込ませる行為を、権利者の不利益にならないよう法律やガイドラインで制限・管理する規制手法のこと。

主権確保と持続可能性の両立へ 規制による成長阻害の懸念も

豪政府が主導する今回の基準導入は、テクノロジー主権の確立と国内インフラの持続可能性を高めるうえで大きな意義を持つと言える。データセンターの急増による電力不足や電気料金の格差といった問題に対し、事業者にインフラ負担を求めることで地域社会への悪影響を防ぐ狙いがある。また、無断学習から権利を守る厳格なルールは、創作活動に携わるメディアや芸術家の安心感につながり、国内クリエイティブ産業の基盤を強固にするだろう。

一方で、法的な制限が厳格化されることによる懸念点も浮き彫りとなっている。AI開発企業やデータセンター事業者に対して厳格な環境要件や著作権管理を課すことで、世界的なAI投資競争において同国の参入障壁が高まる恐れを否定できない。

開発コストの増加や法的リスクを回避するため、グローバル企業が他国へ拠点を移す懸念も残る。技術革命の波に乗りつつ国益と安全を両立させるという高度なバランス取りが、今後の法律制定に向けた最大の課題となるはずだ。自国の経済成長と社会的信頼をいかに両立させるか、豪政府の試みに世界からの関心が集まっている。

アンソニー・アルバネーゼ首相、および産業・イノベーション大臣兼科学大臣であるティム・エアーズ上院議員との共同報道発表

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