2026年7月16日、NVIDIAはNoetra株式会社と提携し、140MW規模の「NVIDIA Vera Rubin AIファクトリー」を国内に構築すると発表した。経済産業省の「FRONTiaプロジェクト」とも連動する。
2万7500基超の最先端GPUを投入 国内最大規模の計算基盤が始動
NVIDIAとNoetraは、国家レベルの「フィジカルAI」実現に向けた巨大データセンターの立ち上げを決定した。本ファクトリーには1万3750基以上のVera CPUおよび2万7500基以上のVera Rubin GPUが導入され、合計140メガワット(MW)の電力を供給する大規模インフラとなる予定だ。
本取り組みは、経済産業省が推進する「AIロボット・フィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデル開発事業(通称:FRONTiaプロジェクト)」の計算基盤として活用される。製造や物流、ヘルスケアといった日本の強みである産業フィールドにおいて、信頼性の高いオープンなマルチモーダル基盤モデルの開発を目指す方針だ。
開発されたモデルの事前学習済みデータやライブラリは、国内の開発者や企業へ広く共有される。1兆パラメータ規模の超大型モデルの学習も可能となり、日本全国の産業界が世界標準のインフラを直接利用できる環境が整うと言える。
2040年市場の3割獲得へ 日本の産業競争力復活と実装加速の未来
日本政府が策定した「AIロボティクス戦略」では、2040年までに世界市場の30%以上、金額にして約1330億ドル規模の獲得を目標に掲げている。今回構築される国家級インフラは、この野心的な目標を支える強固な土台となると考えられる。
本プロジェクトの最大のメリットは、日本の熟練した現場データと世界最高峰の計算力とが融合する点にある。AIエージェントやデジタルツインの実装が劇的に加速し、人手不足に悩む製造業や物流現場の生産性を爆発的に引き上げる可能性が高い。
一方で、140MWという途方もないエネルギーを消費するため、国内の電力網への負荷や脱炭素目標との整合性が課題となる恐れもある。単なる基盤構築にとどまらず、いかに実効性のあるユースケースを創出し続けられるかが、投資対効果を左右する重要な鍵となるはずだ。
NVIDIAのジェンスン・フアンCEOが指摘するように、かつて世界を席巻した日本の製造業がAIの力で新たな産業革命を牽引できるか、今後の社会実装の展開に大きな期待が寄せられている。