セブンイレブン・ジャパン、電通、サイバーエージェントは、リテールメディア事業を担う合弁会社「セブンイレブン・アドコネクト」を設立すると発表した。
2026年9月1日に事業を開始し、AIを活用した広告配信と購買データ分析を組み合わせ、新たな広告サービスの展開を目指す。
AI活用の新会社で広告と購買を一体化
2026年6月11日、セブンイレブン・ジャパン、電通、サイバーエージェントの3社は、共同出資による合弁会社「セブンイレブン・アドコネクト」を設立することで合意したと発表した。資本金は1億円で、2026年9月1日にリテールメディア事業を開始する予定だ。
背景には国内リテールメディア(※)市場の拡大がある。セブンイレブンは約2万2,000店舗と約2,800万人のアプリ会員という顧客基盤を持ち、電通は統合プランニングとクリエイティブ、サイバーエージェントはAI技術や広告プラットフォーム開発を強みとしてきた。
3社はそれぞれの資産を組み合わせ、顧客一人ひとりに適した広告と店舗での購買を結び付ける仕組みを構築する方針を掲げる。
新会社では店舗のデジタルサイネージやアプリを活用し、認知から購買、リピートまでを一貫して支援する広告サービスを提供する予定だ。
時間帯や天候、在庫状況に応じた広告配信に加え、POSデータやアプリの購買データを活用して広告効果を可視化するほか、AIによって広告クリエイティブの制作や運用の効率化も進めることになっている。
さらに、今後はこうした仕組みを小売業界全体へ提供することも視野に入れている。
セブンイレブンの店舗網とアプリ基盤で構築した広告モデルを外部へ展開し、業界全体のDX推進とリテールメディア市場の発展に貢献する方針である。
※リテールメディア:小売事業者が店舗やアプリ、ECサイトなど自社の顧客接点や購買データを活用し、広告配信や販促支援を行う広告事業のこと。
AI広告基盤は小売DXを加速するか
今回の取り組みは、広告を配信するだけでなく、実際の購買データまで含めて効果を検証できる点が大きな特徴である。
広告主は販促施策の成果を把握しやすくなり、加盟店は来店促進や売上向上、顧客側は関心に近い情報を受け取りやすくなるという効果が見込めるだろう。
また、AIによるクリエイティブ制作や広告運用の自動化が進めば、これまで時間やコストを要していた業務の効率化も期待できる。
広告配信から改善までを継続的に最適化できる仕組みは、小売業界全体のデジタル活用を後押しする要素になり得る。
一方で、購買データや行動データを活用した広告は、透明性や適切なデータ管理への配慮が欠かせない。
利用者に納得感のある運用や安全なデータ管理を継続できるかが、サービス拡大の重要な条件となるだろう。
今後、リテールメディアが小売業界全体へ広がれば、店舗は商品を販売する場にとどまらず、広告主と生活者を結ぶデータ活用基盤としての役割を強める可能性がある。
実店舗とAIを組み合わせた広告モデルが定着するかが、市場拡大の焦点になると考えられる。
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