NTTドコモビジネス株式会社は、秘密計算技術を活用した分析クラウドサービス「析秘MPC」に分析AIオプションを追加したと発表した。
AIモデルの学習および推論処理を、機密データを保護したまま実行できる環境を国内向けに提供する。
「析秘MPC」に分析AI機能を追加 秘密計算で学習・推論を実現
NTTドコモビジネスは2026年6月24日、秘密計算技術を利用した分析クラウドサービス「析秘MPC」に、新たな分析AIオプションの提供を開始した。
秘密計算は、データを暗号化・秘匿した状態のまま計算を行う技術であり、処理中も元データを復号することなく分析できる点が特徴だ。
今回のオプションでは、この技術をAI分析へ適用することで、機密情報を保護したままモデルの構築や推論処理を実施できる。
近年は生成AIやデータ分析の利用拡大に伴い、個人情報や営業秘密を含むデータを安全に活用したいというニーズが高まっている。
一方で、個人情報や機密データの共有においては、セキュリティの確保が大きな課題になっているという。
今回の分析AIオプションは、こうした課題への対応を目的として提供される。
医療や金融、製造など、機微なデータを扱う業界を中心に、データを秘匿したままAIを活用できる環境を提供し、安全性とデータ利活用の両立を支援する。
安全なAI活用を後押し 普及には性能とコストが鍵か
秘密計算とAIを組み合わせた本サービスは、これまで機密性の高さからAI利用が難しかったデータを活用しやすくする点が最大のメリットだろう。
企業間や組織間でデータを共有せずに分析できるため、新たなAI活用や共同研究の促進につながる可能性もある。
一方で、秘密計算は一般的なデータ処理よりも演算負荷が高く、処理速度や計算コストが課題とされている。そのため、大規模AIモデルへの適用では、性能と安全性のバランスをどこまで確保できるかが導入拡大の重要なポイントになると考えられる。
今後、秘密計算技術の高速化やクラウド基盤の進化が進めば、金融や医療に加え、流通業など幅広い分野への展開も期待される。
生成AIの業務利用が拡大する中で、「データを守りながらAIを使う」という考え方は今後さらに重要性を増し、安全性を重視したAI基盤の整備が企業の競争力を左右する要素の一つになるかもしれない。
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