2026年8月11日、米IBMはTogether AIとの複数年契約を締結したと発表した。IBM Cloud上にNVIDIA製AIインフラを活用した大規模なAI推論基盤を構築し、企業向けオープンソースAIの実運用を強化する。提供開始は2027年第1四半期を予定している。
IBM Cloudに初の大規模推論基盤を構築
IBMとTogether AIは、総額2億4,000万ドルの複数年契約を締結し、IBM CloudへNVIDIA HGX B300システムとNVIDIA Spectrum-X Ethernetネットワークを採用した大規模AI推論クラスターを導入すると発表した。これはIBM Cloud上でHGX B300を利用した初の大規模推論専用基盤となる。
この基盤は2027年第1四半期の提供開始を予定しており、Together AIはオープンソースAIモデルの推論サービスを企業向けに展開する。NVIDIAによれば、新システムは従来世代と比べてAIファクトリーの処理能力を30倍向上させる設計だという。
Together AIは2022年創業のAIクラウド企業で、推論、学習、ファインチューニング、エージェント型AIまで幅広いサービスを提供している。現在は月間400兆トークンの推論を処理しており、今回の設備増強によって企業向けサービスのさらなる拡大を目指す。
オープンソースAI普及を後押しする一方、成果は稼働後が焦点
今回の協業は、高性能なAIインフラを活用しながら、企業がオープンソースAIを導入しやすくする取り組みとして期待される。推論性能の向上やトークン当たりのコスト低減が実現すれば、生成AIを本格導入する企業にとって運用効率の改善につながる可能性がある。また、IBMのエンタープライズ向けクラウド基盤とNVIDIAのGPU技術を組み合わせることで、リアルタイムAIサービスやエージェント型AIの普及を後押しすることも考えられる。
一方で、発表時点では基盤はまだ稼働しておらず、実際の性能やコスト削減効果については運用開始後の検証を待つ必要がある。企業での導入拡大には、安定したGPU供給体制や継続的な運用実績も重要な判断材料になると考えられる。
IBMとNVIDIAはGPU活用やデータ分析、ハイブリッドクラウドなどAI関連分野で協業を進めており、今回の取り組みもその流れの一つと位置付けられる。今後は、オープンソースAIが企業システムにおける有力な選択肢として存在感を高めていくかどうかが注目される。
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