東京都のキリフダ株式会社が、官公庁向けにオンチェーン分析の勉強会を実施したと発表した。暗号資産の普及や法整備を見据え、DeFiを含むオンチェーン金融への理解と分析力の強化を支援する取り組みとなる。
官公庁向けにオンチェーン分析を解説
キリフダは2026年5月28日、官公庁の担当者を対象にブロックチェーン上のデータ活用に関する「オンチェーン分析勉強会」を実施したと発表した。暗号資産市場の拡大や法整備の進展を背景に、行政機関内での知見強化を目的として開催された。
同社によれば、金融商品取引法への移行に伴い、暗号資産が金融商品として位置づけられる可能性が高まっているという。税制面での負担変化などにより、一般利用者が暗号資産を資産運用の一部として取り入れるケースが増加する可能性も示された。
一方で、監督や制度設計を担う官公庁側では、DeFi(※)を含むオンチェーン金融への理解不足が課題になっていた。
勉強会では、ブロックチェーン上で発生するトランザクションや金融活動の基礎知識と分類について、ブロックチェーンエクスプローラーを用いながら解説した。
また、膨大なオンチェーンデータを取得・整理し、分析へ活用する具体的な手法についても共有された。
さらに、実務で利用される高度な分析ツールの紹介や、市場動向を読み解くための実践的な活用方法についてもレクチャーが行われた。
キリフダはBlockchain Intelligenceチームを通じて、今後も金融機関や官公庁などへコンプライアンス対応のサポートやデータ活用支援を提供していく方針である。
※DeFi:分散型金融のこと。銀行などの中央管理者を介さず、ブロックチェーン上のプログラムによって金融サービスを提供する仕組みを指す。
行政の分析強化で監督体制は変化するか
今回の取り組みは、官公庁側がオンチェーン金融への理解を深める動きとして注目できる。暗号資産やDeFi市場は国境を越えて拡大しており、従来型金融とは異なる監督や分析の視点が必要になる場面も増えつつある。
特に、オンチェーン分析の知見が広がれば、不正送金や資金移動の追跡精度向上につながる可能性がある。ブロックチェーン上の取引履歴は公開されているため、適切な分析手法を持つことで監督業務の高度化が進む余地もあるだろう。
一方で、技術進化の速度に対して、行政側の人材育成や体制整備が追いつくかは課題になりそうだ。DeFi領域では新しいサービスやプロトコルが短期間で登場しており、継続的な学習や専門人材の確保が求められると考えられる。
また、民間企業が持つ分析技術への依存度が高まりすぎた場合、中立性やノウハウ蓄積の観点から議論が生じる可能性もある。
今後は、行政と民間がどのような形で知見共有を進めるかが、日本国内のオンチェーン金融監督の方向性に影響を与えることになりそうだ。
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