2026年7月13日、日本の楽天カードは、長崎県長崎市に新たな開発拠点「楽天カード 長崎営業所(予定)」を2026年12月に開設すると発表した。AI時代を見据え、高度IT人材の確保やシステム開発体制の強化、BCPの充実を進め、持続的な競争力の向上を目指す。
長崎新拠点で開発体制を強化
楽天カードは、業務拡大や開発品質の向上、BCP(※)の強化を目的として、長崎県長崎市に「楽天カード 長崎営業所(予定)」を開設する。営業開始は2026年12月を予定しており、JR長崎駅から徒歩約3分のNBCビル内に約630平方メートルのオフィスを整備する計画だ。執務スペースには約50席を設け、約50人を新たに雇用する予定である。
同社はこれまで福岡拠点を中心にシステム開発・運用を進めてきたが、事業拡大に伴い開発体制を強化する必要性が高まっていた。新拠点は福岡や東京と同様のオフィスコンセプトを採用し、拠点間の連携を促進するとともに、災害などの緊急時にも事業を継続しやすい体制づくりを進める。
今回の拠点開設では、AIを活用した開発が普及する中でも、システム開発・運用を内製化する方針を維持する点が特徴である。同社はAIを活用できるだけでなく、自ら課題を設定し、技術の本質を理解しながら成長できる人材の育成を重視する姿勢を示した。
長崎県は企業誘致制度が充実しているほか、情報系学部を持つ大学が多く、高度IT人材を継続的に採用しやすい地域とされる。楽天カードは地域に根差した人材の定着と育成を進めることで、中長期的な開発力の強化につなげる考えだ。
※BCP(事業継続計画):災害やシステム障害などが発生した際でも、事業を継続または早期に復旧するための計画。
人材投資がAI競争力を左右する
今回の取り組みは、地方に新拠点を設けるだけでなく、AI時代を見据えた人材基盤を強化する戦略の一例として捉えられる。開発業務で生成AIの活用が広がる一方、品質や安全性を担保できるエンジニアの育成は、引き続き企業にとって重要な経営課題になると考えられる。
地方で安定的に人材を確保できれば、首都圏への採用依存を抑えられるほか、社員の定着率向上や地域経済への波及効果も期待される。また、開発拠点を分散することで、災害時の事業継続性を高められる可能性もある。
一方で、AI人材を巡る採用競争は地方でも一層激しくなることが予想される。拠点を新設するだけでは十分とは言えず、人材育成や教育への継続的な投資、技術者が長期的に成長できる環境を整備できるかが、今後の競争力に影響を与える可能性がある。
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