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ソフトバンク、AI基盤を自前構築へ 堺・苫小牧で「ネオクラウド」本格始動

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2026年5月11日、ソフトバンクは日本国内でAIデータセンター事業を本格展開する方針を発表した。北海道・苫小牧と大阪・堺に大規模拠点を新設し、チップからクラウドまで一体提供する「ネオクラウド」戦略へ移行する。国内AIインフラ競争が新局面に入る。

堺10万GPU規模、AI基盤拡張へ

ソフトバンクは新中期経営計画において、AIデータセンターの大規模展開を明確に打ち出した。北海道・苫小牧では2026年度に50MW規模で稼働を開始し、需要に応じて300MWまで段階的に拡張する計画である。大阪・堺では約45万平方メートルの敷地に、電力140MW規模のAIデータセンターを中核とする施設を整備する方針だ。

堺拠点の計算能力は110エクサFLOPS(※)に達し、エヌビディアの「H200」換算で約10万枚相当のGPUが稼働する見通しである。これは従来の1万枚規模を大きく上回る水準となる。すでに同社が展開してきたGPU基盤は完売しており、AI計算需要の強さが浮き彫りになっている。

また、同社は単なる設備貸しではなく、チップからソフトウェアまで自社で構築する「ネオクラウド」戦略を推進する。中核となる「Infrinia AI Cloud OS」により、GPU as a Serviceや推論APIを提供し、国内の重要インフラ企業など約3000社への展開を見込む。従来のデータセンター事業から一段踏み込んだサービスモデルへの転換となる。

さらに中計では3年間で1兆円の戦略投資を掲げ、そのうち3000億円がデータセンターと電池関連に充てられることが確定している。GPUやメモリ価格の高騰も踏まえ、オンバランスとオフバランスを組み合わせた柔軟な投資手法を採用する方針も示された。

※エクサFLOPS:1秒間に100京回(10の18乗回)の浮動小数点演算を実行できる計算能力の単位。AIや大規模データ処理の性能指標として用いられる。

自前クラウド化の成長機会と重圧

今回の戦略は、低収益になりやすいベアメタル型から脱却し、クラウドサービスまで内製化することで収益性を高める狙いがある。チップからサービスまでを一体で提供することで、価格競争に陥りにくく、継続的な収益基盤を構築できる可能性がある。

一方で、巨額投資に伴うリスクも大きい。GPUやメモリといった主要部材の価格は変動が激しく、調達コストの上昇が収益性を圧迫する懸念がある。加えて、設備投資の回収には一定の時間を要するため、需要成長が想定を下回れば負担が顕在化する可能性も否定できない。

競争環境は今後厳しさを増す可能性がある。NTTやKDDIなど国内大手もAIデータセンター構想を進めており、単なる設備規模だけでは差別化が難しくなる可能性がある。ソフトウェア基盤やサービス設計を含めた総合力が問われる局面に入りつつあると言える。

今後は、顧客がGPU資産を保有し運用のみを委託するモデルなど、多様な提供形態が鍵を握るとみられる。資本効率と顧客ニーズの両立を図れるかが、「ネオクラウド」戦略の成否を分ける重要な要素になると考えられる。

ソフトバンク 2025年度 通期 決算説明会 資料

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