米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、米中両政府が人工知能(AI)を巡る公式協議の開始を検討していると報じた。北京でのトランプ米大統領と習近平国家主席の首脳会談でも、AIが議題となる見通しだ。
米中、AI分野で公式対話を模索
WSJは2026年5月6日、米中両政府がAIを巡る公式協議の開始に向けて調整していると報じた。報道によると、来週北京で開催予定のトランプ大統領と習近平国家主席による会談で、AIが議題に盛り込まれる見通しとなっている。
米国側ではベセント財務長官が代表を務める方向で調整されている。一方、中国側は現時点で責任者を正式に指名していないという。
両国は近年、半導体輸出規制や先端技術管理を巡って対立を深めており、AI分野でも競争が激化している状況だ。
トランプ大統領は今週、習主席との会談を楽しみにしていると発言した上で、米国がAI分野で主導権を握っていることを改めて伝える考えを示した。
対話進展なら競争と管理が両立も
今回の協議検討は、対立が続く米中関係において一定の対話ルートを維持する動きとして注目できる。特に生成AIや自律型システムの普及が加速するなか、安全性や利用基準について最低限の共通認識を模索する余地が生まれるかもしれない。
一方で、技術覇権を巡る競争そのものが弱まるとは限らない。
半導体や大規模AIモデル開発では、安全保障と産業政策が密接に結び付いており、協調と対立が同時進行する展開もあり得る。外交対話が継続した場合でも、輸出規制や投資制限が維持される可能性は残りそうだ。
それでも、主要国間で継続的な対話の枠組みを持つ意義は小さくないと考えられる。
今後は規制や技術標準、先端半導体供給網など幅広いテーマへ議論が広がる可能性もあり、各国企業の戦略にも影響を与える展開が予想される。
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