2026年5月5日、米半導体大手AMDは第2四半期の売上高見通しが市場予想を上回ったと発表した。AIインフラ投資の拡大を背景に、データセンター向けCPUとGPU需要が成長している。
AI需要追い風にAMD業績急伸
AMDが発表した第2四半期の売上高見通しは112億ドル(±3億ドル)となり、市場予想の105億2000万ドルを大きく上回った。AIインフラ投資を拡大するクラウド企業からの需要増加が、業績を強く押し上げている。
第1四半期のデータセンター部門売上高は前年比57%増の58億ドルとなり、市場予想の56億4000万ドルを超えた。調整後売上高は102億5000万ドル、1株利益は1.37ドルとなり、いずれも市場予想を上回っている。
特に注目されているのが、サーバー向けCPU事業の成長だ。AMDは従来、AI向けGPU(※)でエヌビディアに対抗する企業として見られてきたが、現在はAIサービス運用時の処理需要増加を背景にCPU需要が拡大している。
リサ・スーCEOは決算説明会で、サーバー用CPU市場が年率35%超で成長し、2030年までに1200億ドル規模へ拡大するとの見通しを示した。
さらにAMDは、サーバー用CPU売上高が前年比70%超で成長するとの見通しも公表した。調整後の粗利益率見道しは約56%。
※GPU:画像処理半導体。AIモデルの学習や推論処理など、大量計算を高速に行う半導体。
AI市場拡大でCPU競争が激化へ
今回のAMD決算からは、AI市場の成長がGPU中心からデータセンター全体へ広がりつつある状況がうかがえる。生成AIブーム初期はAI学習向けGPUが注目されていたが、現在はAIサービスを実際に運用する「推論」(※)処理への需要も拡大しているとみられる。
この変化はAMDにとって追い風となる可能性がある。推論処理ではCPUとGPUの連携効率が重視されるため、サーバー向けCPUを持つAMDは市場拡大の恩恵を受けやすい。クラウド企業がAI機能を標準サービスとして提供する動きも、需要増加を後押しすると考えられる。
一方で、競争激化によるリスクも小さくない。AI半導体市場ではエヌビディアが依然として強い影響力を持っており、各社では研究開発投資の負担拡大が課題になりつつある。さらに、AI向けデータセンターの急増は、電力消費や供給網逼迫といった課題につながる可能性も指摘されている。
今後は、GPU単体の性能競争だけでなく、CPUを含めたシステム全体の最適化競争へ移行する可能性が高い。AMDがこの流れを取り込めれば、AI時代の半導体勢力図に変化を与える存在となるかもしれない。
※推論:学習済みAIモデルを利用し、実際に文章生成や画像認識などを行う処理工程。
関連記事: