国内IT大手のLINEヤフーは、韓国NAVERおよび同グループとの主要システム分離が完了したと発表した。
2023年の不正アクセス事案を受けた再発防止策の一環であり、国内主導の運用体制への移行が明確になった。
NAVER依存解消、システム分離が完了
2026年4月15日、LINEヤフーは、NAVERおよびNAVER Cloudとの間で構築されていた主要システムの分離を段階的に進め、2025年6月までに利用システムの切り離しを完了したと報告した。
その後、国内外子会社が利用する関連システムや認証基盤についても、2026年3月末までに分離が完了したとしている。
さらに、日本向け事業に関するサービス企画・開発委託は2025年末に終了し、NAVERの技術・システム利用も2026年3月末までに終了した。
これにより、同社の中核サービスは外部依存を縮小し、より独立性の高い運用構造へ移行した。
今回の措置の背景には、2023年に発覚した不正アクセス事案がある。
総務省の行政指導を踏まえ、同社は委託先管理の見直しに加え、社内システムへの二要素認証の適用、SOC(※)業務体制の国内移管、監視ルールや相関分析ルールの見直しなどを進めてきた。
なお、残存データの削除は2026年6月末まで継続される予定である。
※SOC:Security Operation Centerの略。システムの監視やインシデント対応を専門に行う組織。
国内主導の運用強化と分離の副作用
今回のシステム分離は、セキュリティガバナンスの観点では一定の前進と評価できる。
特に、認証基盤や監視体制を国内で統制することで、規制対応やインシデント時の迅速な対応力は向上すると見込まれる。
総務省の行政指導に対する実効的な回答として、対外的な信頼回復にも寄与する可能性があるだろう。
一方で、分離によるコスト増や技術的な非効率も無視できない。
従来はNAVERグループの技術基盤を活用することでスケールメリットを享受していたが、今後自社での開発・運用負担が増大することを避けることは難しいとみられる。
中長期的には、国内主導のプラットフォーム運営が競争力強化につながるかが焦点となる。
セキュリティと効率性のトレードオフをどう最適化するかが、同社の今後の成長戦略における重要な論点になると考えられる。
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