SBI Chiliz株式会社は東京ヴェルディと、日本国内でのファントークン導入に向けた共同検討に関する基本合意(MOU)を締結した。
ブロックチェーンを活用した新たなファン体験の実現を目指し、制度面を含めた共同検討が始まる。
ヴェルディとSBIがMOU締結しファントークン検討
2026年4月15日、SBI Chilizは東京ヴェルディとの間で、日本国内におけるファントークン導入に向けた共同研究に関する基本合意書を締結したと発表した。
両社はブロックチェーン技術を活用した新たなファンエンゲージメントの在り方を検討する枠組みを開始する。
本合意に基づき、ファン投票やアンケート、デジタル特典、参加報酬などの仕組みを通じた体験設計が検討対象となる。
イベント企画や学習コンテンツの開発も視野に入れ、実用化に向けたユースケース整理も進められる見通しだ。
加えて日本の法制度に適合した運用体制や技術的基盤、コンプライアンス設計の研究も並行して行われる。
SBI ChilizはSBIデジタルアセットホールディングスとChiliz Groupの合弁として2024年に設立され、スポーツ領域におけるWeb3活用を推進している。
Chiliz GroupはSocios.com(※)を中核としたエコシステムを展開し、欧州を中心に多数のスポーツクラブとの連携実績を持つ。
一方、1969年創設の東京ヴェルディは、Jリーグ創設メンバーとして高い知名度を持ち、リーグ優勝7回や天皇杯優勝5回などの実績を積み重ねてきた。
今回の取り組みでは、長年にわたり形成されたファン基盤を背景に、デジタル技術との融合が進められることになる。
※Socios.com:Chilizが提供するスポーツ向けファンエンゲージメントプラットフォーム。トークン保有者は投票や特典を通じてクラブ運営に関与できる仕組みを持つ。
ファン参加型経済圏の可能性と課題
ファントークンの導入は、クラブとファンの関係性を双方向へと変える可能性がある。
投票や報酬設計を通じて意思決定の一部に関与できる仕組みは、エンゲージメントの質を高める効果が期待できる。特に若年層との接点強化に寄与する点は見逃せない。
一方で、トークンの価値設計には慎重さが求められるだろう。投機的側面が強まれば本来のファン体験を損なう恐れがあり、価格変動リスクへの配慮が不可欠といえる。
金融商品との境界も曖昧になりやすく、規制との整合性が重要な論点となりそうだ。
また、日本市場特有の課題として、暗号資産に対する理解度のばらつきが挙げられる。
単なる導入では定着しにくい面があるため、利用者体験の分かりやすさが普及速度を左右すると考えられる。
中長期的には、スポーツを起点としたトークン経済圏の拡張が視野に入るとみられる。
特にグッズやチケット、地域連携などと連動することで新たな収益モデルが生まれる可能性が高い。こうした動きが広がれば、他クラブや他競技への波及も現実味を帯びるだろう。
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