クリプトリエがJMASの完全子会社に Web3と生成AIの開発体制を強化へ

2025年6月27日、Web3ソリューションを提供するクリプトリエは、日本能率協会グループのIT企業・ジェーエムエーシステムズ(JMAS)の完全子会社になったと発表した。両社は生成AIとWeb3の融合による新サービス創出を目指すとしている。
JMAS、クリプトリエの子会社化でWeb3領域に本格参入
SI(システムインテグレーション)やクラウド開発を手がける国内IT企業・JMASは、Web3領域で実績を持つクリプトリエを完全子会社化したと明らかにした。
今回の発表は、2023年3月に両社間で締結された資本業務提携を発端としており、約1年余りを経ての本格的な連携フェーズに突入した形だ。
クリプトリエは、NFTを活用したマーケティングプラットフォーム「MintMonster(ミントモンスター)」や、Web3コンサルティング、受託開発などを通じて、法人向けに数々の実績を重ねてきた。
さらに、近年では生成AIの業務導入支援にも力を入れており、両技術を組み合わせた新たなビジネス支援モデルを推進している。
JMASはこれまでモバイルアプリや業務システムの開発に強みを持っていたが、今回の子会社化を機に、成長著しいWeb3・AI分野への本格展開を狙う。両社の技術資産と知見を統合し、企業の次世代ビジネス創出に資する体制を構築する方針だ。
Web3×生成AIがもたらす企業支援の進化と課題
今回の子会社化により、Web3と生成AIという二大トレンド技術を融合させた企業支援体制が加速すると考えられる。
クリプトリエが持つ先端技術領域の知見と、JMASが長年培ってきた開発・運用力を組み合わせることで、NFTマーケティングやAIによる業務自動化といった次世代プロダクトの創出が期待できる。
企業における生成AI活用により、チャットボットやレポート自動生成などの導入が進む一方、Web3は依然として実装コストやユーザーリテラシーが壁となっている。
こうした課題を両社の連携によって解決できれば、より広範な業種への展開が可能となるだろう。
また、親会社である日本能率協会グループは経営支援や人材育成領域にもネットワークを持つため、今後はWeb3・AIを活用した企業変革支援サービス事業への展開なども考えられる。
一方で、両技術は規制環境や市場変動に敏感な側面もある。
事業拡大には技術力だけでなく、継続的なリスクマネジメント体制の整備が求められるだろう。