国内のDigital Entertainment Asset(DEA)などは、さいたま市でスマホゲーム「ピクトレ」を使った街路灯点検の実証を発表した。市民がゲームに参加しながら撮影と状態報告を担い、維持管理効率化を目指す。
市民が街路灯を撮影、異常を報告
2026年9月28日に発表された実証事業「さいたま市みんなのフォトハント!~商店街の街路灯を撮影せよ!~」は、2026年10月9日から11月4日まで実施される。対象はさいたま市内の商店街が保有する街路灯のうち約2,400基で、撮影可能時間は9時から17時までとなる。
実証においては、さいたま市の企業株式会社つなぐが提供する市民アプリ「さいたま市みんなのアプリ」と、DEAやGrowth Ring Gridなどが提供する参加型ゲームアプリ「PicTrée(ピクトレ)」を連携させる。
参加者は「ピクトレ」の地図上に表示された街路灯を探し、現地で指定された画角から撮影する。さらに「傾いている」「さびている」「灯具が破損・ひび割れている」といった項目を選び、設備の状態を報告することができる。
集めた写真や状態データはAIなどで分析し、集約・可視化したうえで、今後の維持管理に向けた基礎情報として活用する方針だ。
背景には、街路灯の老朽化と点検負担がある。従来は各商店会が個別に状態を管理してきたため、市内に点在する多数の設備を継続的に確認するには人的・時間的コストがかかる。
今回の実証では、市民参加によってその負担を補い、異常や老朽化の早期把握につなげられるかを検証する。
参加者には1基あたり10円相当の報酬コインを付与するほか、「さいたま市みんなのアプリ」とアカウントを連携した参加者には、地域通貨「たまポン」の付与も予定する。
ゲーム化で点検効率化、データ品質が課題
今回の試みの利点は、行政や商店会だけで抱えてきた点検作業に、市民の移動と参加を組み込める点にある。ゲーム性や報酬を活用するゲーミフィケーションによって参加の動機を作れれば、広い範囲の設備情報を比較的短期間で集められる可能性がある。
一方、市民が撮影する以上、画角や確認精度にばらつきが生じる可能性はある。AI分析を導入しても、収集データの品質が十分でなければ維持管理判断に使える情報へ変換しにくい。報酬設計も含め、継続的に参加者を確保できるかが実装段階の焦点となる。
市民参加型点検が定着すれば、インフラ管理の担い手を広げる新たなDXモデルとなる可能性がある。ただし、その有効性は今回の実証で、参加率やデータの正確性、管理負担の軽減効果をどこまで確認できるかに左右される。
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