NTTソルマーレは、不正アクセスを受けて停止していた電子書籍ストア「コミックシーモア」の一部機能を再開したと発表した。
購入済み作品の閲覧などが可能となった一方、新規購入や本棚アプリは引き続き利用できない。
ブラウザ閲覧や解約申請が復旧、購入機能は停止継続
コミックシーモアは、不正アクセスの影響で2026年10月15日からサービスを停止していた。
2026年10月29日に再開したのは、購入済み作品のWebブラウザでの閲覧と、読み放題サービスのブラウザ利用である。
会員情報の変更に加え、登録中の月額メニューや読み放題サービスの解約申請も受け付ける。
ただし、これらの機能を利用するにはパスワードの再発行が必要になる。同社は、流出したメールアドレスとパスワードの組み合わせが、他社サービスへの不正ログインに悪用されるおそれがあると警告している。
同じ認証情報を使い回している利用者には、他社サービスのパスワードも変更するよう求めた。
一方、本棚アプリは利用できない状態が続き、同社は近日中の再開を予定している。作品とポイントの購入については、決済手段ごとに順次復旧させる方針だ。
新刊自動購入やサイト退会、ポイント履歴・月額登録履歴・購入履歴の確認、新規会員登録も停止している。
料金面では、サービス停止中に読み放題や月額メニューの料金が自動で引き落とされることは基本的にないと説明した。
ただし一部の決済手段では請求が発生する場合があり、対象者には個別対応する。停止期間中に有効期限を迎えたポイントについても、後日対応する予定だ。
閲覧再開は前進も、情報悪用と全面復旧が課題
今回の部分再開により、既に購入した作品をブラウザで読めるようになったことは、既存会員の利便性回復につながる。
一方、作品を新たに購入できない状況が続くため、電子書籍ストアとしての通常の利用環境が整ったとは言い難い。
特にアプリを中心に利用してきた読者には、復旧の恩恵が限定的となる可能性がある。
また、サービスの復旧状況だけでなく、利用者が安心して再びアクセスできる環境を整えることも重要な課題となる。
不正アクセスを受けたサービスでは、機能が再開しても利用者の不安が直ちに解消されるとは限らない。
安全対策の内容や復旧の進捗を継続的に伝えることが、信頼を取り戻すうえで欠かせないだろう。
加えて、企業や関係者を装う不審なメールから、偽サイトへ誘導されるフィッシングにも注意が求められる。
利用者は身に覚えのない連絡のリンクや添付ファイルを開かず、疑わしい画面に個人情報を入力しないことが重要だろう。
今後は購入機能や履歴確認などの段階的な復旧に加え、安全対策を利用者へ分かりやすく説明できるかが信頼回復を左右する。
利便性を急いで取り戻すだけでなく、再発防止と安全な利用環境の確保を両立させることが不可欠となりそうだ。
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