2026年9月25日、一般社団法人日本スポーツプレス協会(AJPS)は、画像や映像の来歴証明規格を策定する国際団体「C2PA」に参画したと発表した。生成AIによるフェイクコンテンツ急増を受けた国内初の写真家団体の取り組みとなる。
AJPSがC2PAに参加 フェイク急増に対し写真の真正性を証明
一般社団法人日本スポーツプレス協会(会長:岸本勉)は、デジタルデータの改ざん防止や出所の証明を目指す国際的な技術規格策定組織「C2PA(※)」へ、Contributor Memberとして加入した。
今回の決定の背景には、生成AI技術の進展に伴うフェイクコンテンツの急増がある。著作者の許諾なく画像がAIの学習素材に取り込まれ、生成AIのハルシネーションによる虚偽情報と本物の区別がつかない状況が生じており、情報の真正性を根幹とするスポーツジャーナリズムにとって脅威となっていた。
これまでも偽情報に関与してこなかった当協会は、発信情報の真正性を自ら担保する手段を模索しており、技術的枠組みへの参加を決断した。日本の写真家団体としては初の参画となる。
具体的な取り組みとして、スポーツジャーナリズムの立場から規格策定のワーキンググループ参加や実証実験協力を行う。さらに、独自の実証実験を実施して自社Webや年刊誌で成果を発表するほか、会員への早期実装を支援して組織的な真正性担保の強化を図る予定だ。
※C2PA:デジタルコンテンツの来歴や改ざん履歴を記録し、出所の真正性を担保するための技術標準を策定する国際団体。メディアやIT企業などが幅広く参画している。
報道の信頼性向上に寄与する一方、機材実装の普及速度に課題
今回の取り組みは、スポーツ報道写真の信頼性をデジタル上で客観的に証明可能にするという大きなメリットをもたらすと見込まれる。AP通信やBBC、NHKなどの世界的メディアが参画する国際規格を早期導入することで、悪質な改ざんや無断学習からジャーナリストの権利を守り、読者へ安全な一次情報を届ける基盤が整うと期待される。
一方で、運用面でのハードルやデメリットも存在すると考えられる。最大の課題としては、カメラ機器におけるC2PA機能の実装状況がメーカーや地域によって偏っている点が挙げられる。全機種で対応可能なメーカーがある一方で一部モデル限定のケースもあり、会員全員が速やかに導入できる環境とは言えないのが現状と言える。
将来の展望として、C2PAはデジタルデータの真正性を証明する世界標準規格へ定着する可能性が高い。機材側の対応や現場の普及率といった過渡期の課題をクリアできれば、スポーツ報道全体の価値を高める先進的なモデルケースとなるはずだ。
一般社団法人 日本スポーツプレス協会(AJPS) ニュースリリース
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