2026年7月9日、日本テレビは、ロジック・アンド・デザインと共同で、生成AIによる画像・映像の真贋判定技術を開発するプロジェクトを発足したと発表した。報道素材の信頼性向上を目的とし、2027年内の実用化を目標に技術開発を進める。
生成AI時代の報道支える真贋判定技術
生成AIの進化によって、本物と見分けがつかない画像や動画を誰でも容易に作成できるようになった。事件や災害時にはSNSへ投稿された映像が報道素材として活用されるケースも多い一方、AI生成コンテンツの増加により誤報のリスクはこれまで以上に高まっている。
こうした状況を受け、日本テレビは画像処理技術を手がけるロジック・アンド・デザインとの共同プロジェクトを発足した。日本テレビが長年培ってきたファクトチェックの知見と、ロジック・アンド・デザインが保有する映像・画像の鮮明化アルゴリズムなどの特許技術を組み合わせ、人間の目では識別が難しいAI生成画像・動画を判定する技術の開発を目指す。
特徴は、特定の生成AIモデルに依存しない判定手法を採用する点にある。現在の生成AIは急速に進化しており、個別モデル向けの検知技術では新たなAIの登場に対応できなくなる恐れがあるためだ。両社は技術進化に左右されにくい本質的なアプローチを追求し、2027年内の技術確立と実用化を目標に開発を進める方針である。
社会実装への期待と技術競争の課題
真贋判定技術が実用化されれば、報道機関だけでなく行政や企業、SNSプラットフォームなど幅広い分野での活用が期待される。フェイクコンテンツの拡散を抑制し、画像や映像の真正性を迅速に確認できるようになれば、情報発信の信頼性向上や誤情報対策の強化につながる可能性がある。
一方で、生成AIと判定技術は互いに進化を続ける関係にあり、一度開発した技術だけで長期間対応できる保証はない。新たな生成AIへの継続的な対応や判定精度の維持には、継続的な研究開発と技術更新が欠かせないだろう。
今後は生成AIの普及に伴い、真贋判定技術の需要も一段と高まると考えられる。日本テレビの取り組みが実用化に至れば、報道現場におけるファクトチェックの高度化だけでなく、AI時代の情報の信頼性を支える技術として他業界へ波及する可能性もある。
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