2026年9月23日、国内企業の株式会社KandaQuantumは、AIエージェントの指揮システム『Fuga v2 – Ryusei』を限定リリースした。1日2,000体超のAIを動員し、開発効率を飛躍的に高めたという。
再帰的自己改善により1日2,000体のAIを制御する新基盤を確立
同社は前バージョンの公開から約1か月間、自社システムであるFuga自身の開発をFuga自身に任せる「再帰的自己改善(RSI)」の運用を実施した。AIが稼働ログからボトルネックを自発的に抽出して改修するループを継続した結果、処理効率が劇的に向上している。指揮可能なAIエージェント(※)の規模は前回の倍となる1日2,000体超へ拡大し、全体の仕事量は約10倍に増大した。
あわせて通信基盤の抜本的な改善も行われ、指揮系統におけるデータ転送効率は77,100%改善、画面への反映スピードも7,700%高速化した。また、「GPT-6」シリーズや「Claude Opus 5.5」といった各社の最新モデルに対応した点も特徴だ。タスクの難易度を分析して高機能モデルと軽量モデルを最適配分する仕組みにより、大規模運用に伴うコストの激増を回避する構造を整えている。
※AIエージェント:特定の目標を達成するために自律的に調査・設計・実装・検証を行うAIプログラムの実行単位。本件では起動したLLMの各インスタンスを指す。
開発速度の加速という利点の一方、評価指標の精度改善が今後の課題に
自律的に改善を重ねるAI基盤の確立は、ソフトウエア開発における作業スピードを劇的に変革させる可能性を秘めている。同社の試算では、AIの作業量をエンジニアの人件費(1時間あたり25万円の暫定単価)へ換算した場合、2026年9月単体で約4.1億円相当に達する見込みとされる。
高難度のタスクから定型業務までをAIの群れが並列処理する仕組みは、人的リソースの制約を打破する有力な選択肢となり得るだろう。
一方で、現状の評価モデルには課題やリスクも残されている。今回の実績数値はタスクの難易度を考慮せず一律1件と集計したものであり、単価設定も含めてあくまで叩き台としての指標に留まるためだ。
また、自律ルーチンへの過度な依存はシステムの暴走や品質のばらつきを招く懸念も否定できない。 今後は定量指標の精緻化を進めるとともに、大規模な実運用を通じて信頼性を実証できるかが普及の鍵を握ると考えられる。開発プロセスの完全自動化がもたらす便益と課題の双方を見極める視点が不可欠となるはずだ。
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