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地方の再エネでAI処理を最適化 国内初「ワット・ビット連携」実証を開始

PlusWeb3 編集部
PlusWeb3 編集部 Web3・AI専門メディア

2026年9月18日、NTTドコモビジネスや中国電力など5社は、データセンター(DC)間の連携によりAI処理と電力供給を最適化する「ワット・ビット連携」の共同実証実験を8月に開始したと発表した。

電力と通信を統合制御 分散DCを活用した最先端AI処理の社会実装へ

本実証は総務省の事業採択を受けた取り組みであり、2026年8月から2027年2月にかけて行われる。生成AIの急速な浸透に伴い国内のデータ処理量と電力需要は急増しており、データ活用基盤となるDCへの効率的な電力供給が喫休の課題となってきた。こうした背景から、データ処理を示す「ビット」と電力供給を示す「ワット」を一体で最適化する仕組みの構築が進められている。

実証では超高速ネットワーク技術「docomo business APN Plus®」と分散制御システムを組み合わせ、関東・中国・北海道の広域に点在する複数のDC間で計算リソースを連携制御する。リアルタイム性が求められる医療特化LLMやスマート保安VLMの運用を通じ、AI推論・学習処理の分散配置と実行性能を検証していく計画だ。

単一DCの限界を克服するため、広域に分散したGPUリソースを活用する技術基盤の確立を目指す。再生可能エネルギーの発電量が多い地方のDCへ柔軟にワークロードを分散・移行(シフト)させることで、再エネ利用率の向上とカーボンニュートラルの達成を同時に狙う方針である。

DXとGXを高度に両立 インフラ負荷軽減の一方で通信制御に課題も

電力情報に連動したワークロードシフト(※)の確立は、電力需給の逼迫を緩和しつつ国内のAI基盤を強固にする大きな試みとなる。再エネの発電ピークに合わせて計算資源の稼働を調整できれば、電力網への過剰な負担を回避しながら環境価値と経済価値を双方高める運用が実現する見込みである。地方におけるデジタルインフラの活性化や地域産業の生産性向上といった波及効果も大いに期待されるところだ。

しかし、広域なマルチDC運用には技術的なトレードオフも存在する。電力データの変動に応じてリアルタイムで大規模なAI処理を動的にシフトさせる際、通信遅延やサービス品質低下のリスクをいかに抑制するかが今後の大きな課題となるだろう。電力需給と通信品質の双方を統合制御するシステムの高度なチューニングが不可欠と言える。

コンソーシアム各社は令和10年度頃までに統合制御システムの確立と事業化を推進するロードマップを掲げる。技術面・事業面・制度面の条件を精査し、日本全体のデジタル基盤と脱炭素化を牽引する革新的なモデルへ成長させられるかが今後の焦点となる。

※ワークロードシフト:DCにおける処理負荷や計算リソースを別の拠点へ動的に移動・転送させる技術。電力需給状況や再エネ発電量に応じて最適な稼働環境を選択するために用いられる。

NTTドコモビジネス株式会社 プレスリリース

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