SBIホールディングスは、シンガポールでステーブルコイン決済を手掛けるdtcpayへの出資を発表した。
加盟店網やサービス拡充を支援し、アジア太平洋地域でのデジタルアセット事業基盤の強化につなげる。
dtcpayへ出資、決済網とサービス拡充を支援
2026年9月18日、SBIホールディングスは、子会社のSBI Ventures AssetとSBI-NTU-Kyobo Digital Innovation Fundを通じ、dtcpayのシリーズAラウンドに出資したと発表した。
dtcpayはシンガポールを拠点に、企業や個人向けにステーブルコインと法定通貨の受け取り、保管、取引に対応するサービスを展開している。
同社の特徴は、独自開発した「リアルタイム・スワップ・エンジン」により、ステーブルコインと法定通貨を即時に交換し、そのまま決済へつなげられる点だ。
WalletConnectとの連携により700超のウォレットから支払いを受け付けるほか、Visa Infiniteカードを通じ、世界1億5,000万か所超の加盟店での利用にも対応する。
実店舗への導入も進めており、シンガポールの百貨店MetroやホテルのCapella Singaporeなどと協業してきた。
規制面では、シンガポール金融管理局から主要決済機関ライセンスを取得し、ルクセンブルクでも電子マネー機関ライセンスを保有している。
今回の出資では、加盟店ネットワークの拡大やサービス開発への継続投資を支援する。
dtcpayは今後、法人顧客向け管理画面を刷新するほか、個人向けアプリにも新機能を導入する方針だ。
日本と東南アジアの決済連携拡大が焦点に
今回の出資は、SBIグループがシンガポールをAPAC地域の主要拠点と位置づけるデジタルアセット戦略を具体化する動きと捉えられる。
dtcpayが持つ複数地域でライセンスを取得した決済基盤と加盟店ネットワークを活用できれば、日本と東南アジアの間でデジタルアセットを用いた取引機会が広がる展開も想定できる。
特に、ステーブルコインと法定通貨を即時交換できる仕組みは、デジタル資産の交換から決済までの処理を効率化する方向に働きそうだ。
複数の仲介業者を経る国際送金と比べ、決済時間や手数料面で効率化できれば、企業間取引や越境決済での活用が広がることも考えられる。
一方、普及には加盟店や利用者の拡大だけでなく、各国の規制に継続して対応できる運営体制も重要になるだろう。
dtcpayは複数地域でライセンスを取得しているものの、SBIグループが期待する日本と東南アジア間の取引拡大につながるかは、今後のサービス展開と実利用の広がりが焦点となりそうだ。
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