宮城県は県民公式アプリ「ポケットサイン」で、新たな情報提供サービス「AIみやぎ県」の実証を開始した。
県公式サイトの内容を学習したAIチャットボットが、県民からのテキストや音声での質問に回答し、必要な県政情報へのアクセスを支援する。
AIが県民ごとに適した県政情報を案内
宮城県は2026年9月2日午前9時から、「ポケットサイン」内のミニアプリとして「AIみやぎ県」の提供を開始した。
県公式サイトで必要な情報をより簡単に見つけたいというニーズに対応し、県民満足度の向上につなげる狙いがある。
サービスでは、県公式サイトの内容を学習したAIチャットボット(※)が問い合わせ内容に応じて自動回答する。
質問はテキストだけでなく音声でも入力でき、回答時には根拠となるWebページも明示する仕組みだ。
特徴の一つが、マイナンバーカードの基本4情報をもとに、利用者ごとに適した情報を提示する点である。
例えば、住所地に応じて適切な申請先を案内するなど、利用者の状況に合わせた回答を目指す。
実証開始時点では、質問対象を「県民公式アプリ」と「観光情報」に限定する。利用者が回答にグッド評価やバッド評価を付けることで、県側はそのフィードバックを県公式サイトの更新や施策に活用できる仕組みとなっている。
宮城県は実証期間中の改善内容を反映し、2027年1月以降に質問対象を全県政情報へ拡大して本運用へ移行する計画である。
同時期には県公式サイトにも利用者情報と連携しないAIチャットボットを導入するほか、AIを活用した県政情報の動画配信も開始する予定だ。
※AIチャットボット:人工知能を活用し、利用者が入力した質問の内容を解析して自動で回答する仕組み。問い合わせ対応や情報検索の効率化などに利用される。
行政情報の探索負担軽減へ、回答精度が鍵
「AIみやぎ県」が定着すれば、県民が複数のページを探し回る手間を減らし、必要な行政情報へ短時間で到達しやすくなる可能性がある。
特に申請先や制度情報のように、居住地域によって案内内容が変わる分野では、利用者に応じた案内の効果が大きいだろう。
また、チャットボットへの評価を県公式サイトの改善に生かす仕組みは、県民がつまずきやすい情報や関心の高いテーマを把握する手段にもなる。
問い合わせ対応の効率化に加え、行政側の情報発信そのものを見直す材料として活用できる点は大きな特徴だ。
一方、利便性を高めるには回答の正確性や、質問意図を適切に読み取れるかが重要になる。
行政手続きでは誤った案内が利用者の負担につながるため、根拠ページの提示や利用者評価を通じて継続的に精度を改善する運用が欠かせない。
今後、対象分野が全県政情報へ広がれば、扱う情報量や質問の種類も増える。実証で得た評価をどこまで回答精度やサイト改善に反映できるかが、本格運用後の利便性を左右すると考えられる。
宮城県 新しい情報提供サービス「AIみやぎ県」ミニアプリの実証始動!
関連記事:
筑紫野市、AIチャットで行政対応を刷新 24時間化が市民接点を再定義

静岡市、LINEで行政手続き案内 AIコンシェルジュで「探さない行政」へ転換

山梨県、県公式サイト検索をAI化 ChatGPT連携で行政情報の探し方が変わる
