SBI XDC Network APACは、大阪府の令和8年度「大阪府先駆的金融市場等形成支援事業補助金」に採択されたと発表した。
vLEIとブロックチェーンを活用し、大阪府内で輸出ファクタリング業務の効率化を検証する。
大阪府内で輸出ファクタリングをオンチェーン化
SBI XDC Network APACは2026年8月28日、TOPPANを共同事業者、Gincoを協力事業者として、法人デジタル証明書を活用したKYBスキームの構築と、輸出ファクタリング取引のオンチェーン化による業務効率化に向けた実証事業を進めると発表した。
大阪府内の中古自動車部品・中古車輸出業者の海外取引事例を用い、貿易取引で生じる売掛債権を早期に現金化するファクタリング業務の効率化を検証する計画だ。
実証では、顧客からの引き合い、KYB(※1)、代金回収までの一連のプロセスを対象とする。
貿易取引情報に加え、輸出者・輸入者に関するvLEI(※2)を含むファクタリング取引(※3)情報を入力・集計し、ブロックチェーンへ記録する業務システムをGincoとの協働で構築する。
さらに、実証に参加する輸出業者の代表的な仕向け国1カ国について、vLEI取得に向けた調査も実施する。
現地での発行体制を構築できるかを検証し、海外取引の相手方確認を含めた手続きをオンライン上で円滑に進められる業務体制の確立を目指す。
事業終了後は、大阪府内で実証対象顧客を増やしながらビジネスモデルの構築を進め、関西圏や全国の中古自動車関連の輸出入事業者、さらに他業種へ対象を広げる方針だ。
将来的には、日本からの輸出に加え、海外子会社から日本への輸出や多国間取引への展開も目指している。
※1 KYB:Know Your Businessの略。取引先となる法人の名称や所在地、事業内容、代表者などを確認する手続き。
※2 vLEI:Verifiable Legal Entity Identifierの略。法人などの取引主体をデジタル上で検証可能な形で識別する仕組み。本実証では、TOPPANが発行権を有するvLEIを活用する。
※3 ファクタリング取引:商品やサービスの提供によって生じた売掛債権を譲渡し、支払期日前に資金化する取引。
貿易金融のデジタル化が資金調達を変える可能性
今回の実証が機能すれば、輸出企業にとっては法人確認や取引情報の入力・集計、ファクタリングに関する一連の業務をデジタル上で連携させやすくなる可能性がある。
取引情報をブロックチェーンに記録することで、関係者間での情報共有や確認作業を効率化できる可能性があり、貿易金融の事務負担軽減につながると考えられる。
特に、中古自動車関連の輸出取引で有効性が確認されれば、KYBとファクタリング関連業務を組み合わせた仕組みとして、他の輸出産業にも応用できる余地がある。
海外企業との取引では、相手方の確認や情報共有に時間を要する場面も想定されるため、vLEIとブロックチェーンを組み合わせる意義は大きい。
さらに、こうした取引情報のオンチェーン化が進めば、将来的には決済や資金調達を含む貿易金融全体のデジタル化につながる可能性もある。
貿易金融分野におけるブロックチェーン活用の実証例として注目されそうだ。
一方で、国境を越えた本格運用には、vLEIの発行体制や各国の商慣行との整合、複数事業者が継続的に利用できる運用設計が不可欠となるだろう。
今回の大阪府内での実証が、技術面だけでなく実務面の課題をどこまで明らかにできるかが、今後の普及を左右すると言える。
SBI XDC Network APAC株式会社 ニュースリリース
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