サッカークラブの鎌倉インターナショナルFCは、鎌倉スタジアムNFTプロジェクトに関する特許取得を発表した。
現実空間の区画とNFT保有者を結び、プレーの発生位置に応じて報酬を付与する仕組みを保護する。
スタジアムの区画とNFT保有者を自動連携
鎌倉インターナショナルFCは2026年7月24日、スタジアムなどの特定空間にある「場所」と、その場所に関連付けられた仮想的な権利の保有者を、ブロックチェーン技術で結び付ける仕組みについて特許を取得したと発表した。
特許番号は特許第7891699号、特許権者は鎌倉インターナショナル株式会社で、出願日は2025年9月17日である。
技術の核は、イベント空間を複数の区画に分割してデジタルアイテム化し、AIやセンサーでプレーやイベントの発生位置を検出する点にある。
その位置情報をブロックチェーン上の仮想権利者と自動で紐づけ、スマートコントラクト(※)を通じて特典や報酬を付与する。
同クラブは2025年から「鎌倉スタジアムNFTプロジェクト」を展開している。
102メートル×64メートル、合計6528㎡のグラウンドを1㎡単位に分割し、固有の区画番号を持つ6528個のNFTを発行している。
保有区画でゴールやシュートなどが発生すると、所有者がリワードを受け取れる仕組みを導入してきた。
今回の特許取得により、体験を支える技術基盤を保護し、関連企業や他クラブ、他競技、他産業との連携を進めやすくなるとしている。
現実の出来事をデジタル上の価値として可視化し、流通させる構想を技術面から支える形だ。
※スマートコントラクト:ブロックチェーン上に設定した条件が満たされた際、契約処理や資産移転などを自動実行する仕組み。仲介者を介さず、あらかじめ定めたルールに基づいて特典や報酬を配布できる。
観戦体験を拡張する一方、運用精度は課題か
本技術が広がれば、スポーツ観戦は単に試合を見るだけでなく、「特定の場所と出来事に参加する体験」へと変化する可能性がある。
サポーターは保有区画を通じてプレーと直接つながり、限定コミュニティやイベント、特典と組み合わせることで、クラブとの継続的な関係を築きやすくなるだろう。
クラブ側も、チケットやグッズ販売とは異なる収益源やファン接点を設計できると考えられる。区画ごとの履歴を活用すれば、試合や地域イベント、スポンサー施策を横断したサービスへ発展する余地がありそうだ。
他競技や商業施設、観光地へ応用されれば、場所自体にデジタル上の権利や価値を持たせる事例が増えるかもしれない。
一方、報酬付与の前提となる位置検出には高い精度が必要になるはずだ。AIやセンサーが発生場所を誤認すれば、公平性や保有者の信頼を損なう懸念がある。
また、NFTの価値は特典内容や試合状況に左右されるため、投機性だけが先行しない設計も欠かせないだろう。
今後の焦点は、特許技術を実際の運用へ安定的に落とし込み、保有者が継続して価値を感じられる体験を提供できるかどうかにありそうだ。
透明な判定基準と利用しやすい仕組みを整えられれば、スポーツとWeb3を結ぶファンエンゲージメントの新たなモデルになり得る。
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