日本の物流大手AZ-COM丸和ホールディングスは、JPYC株式会社との資本業務提携を発表した。約10億円を出資し、JPYCを活用した社内外向け決済プラットフォームの構築や、物流業務と連動した自動支払いを目指す。
約10億円出資で物流決済DXを推進
AZ-COM丸和ホールディングスは2026年7月22日、JPYC株式会社との資本業務提携に関する覚書を締結したと発表した。払込予定日は7月30日で、B1種優先株式11万6,000株を10億108万円で引き受け、議決権保有比率は2.9%となる予定である。
同社は、物流業界の人手不足や人件費・燃料費の上昇に加え、業務委託ドライバーや取引先への支払いで発生する銀行送金手数料や処理時間を提携の背景に挙げた。
AZ-COMネットワークの会員企業2,968社(2026年6月末現在)への小口支払いの増加を見据え、こうしたコスト負担への対応を急ぐ必要があるとしている。
両社は、JPYCを活用した決済プラットフォームの構築を進め、将来的には決済代行やインセンティブ配布など外部企業向けサービスへの展開も視野に入れる。
さらに、JPYC利用のための独自ウォレットをアプリとして提供し、即時報酬付与を含むロイヤリティプログラムやキャンペーンへの活用を目指す。
加えて、GPSや証明書データと配送完了確認を連携させ、スマートコントラクト(※)による自動支払いも検討する。請求書照合や承認、振込処理の自動化を通じて、事務コストや人的ミスの削減を狙う。
なお、同社は現時点で2027年3月期業績への影響は軽微としている。
※スマートコントラクト:ブロックチェーン上で契約条件を自動実行する仕組み。一定条件を満たすとプログラムが自動で処理を実行し、決済や契約手続きの効率化が期待されている。
物流決済の変革に期待と課題
今回の提携は、物流業界における送金コストや事務負担の軽減に寄与する可能性がある。
支払い処理の迅速化が進めば、ドライバーや取引先への資金移動が効率化され、物流サービスの付加価値向上にもつながると考えられる。
独自ウォレットや即時報酬機能が実用化されれば、インセンティブ制度を柔軟に運用できるほか、加盟企業との関係構築にも活用しやすくなるだろう。決済基盤そのものをサービスとして提供する新たな事業機会も広がるかもしれない。
一方、企業間決済でステーブルコインを本格的に活用するには、利用企業側の導入負担や運用体制の整備、法規制への継続的な対応などが欠かせないはずだ。
従来の銀行送金との使い分けを含め、実務への定着には一定の時間を要することも考えられる。
それでも、物流とデジタル決済の融合は、日本の物流DXを左右する取り組みの一つになり得る。今後はAZ-COM丸和HDが構築する決済基盤が物流業界内にどこまで普及し、外部企業向けサービスへ発展するのかが注目されそうだ。
AZ-COM丸和ホールディングス株式会社 「JPYC 株式会社との資本業務提携に関するお知らせ」
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