今週のWeb3市場では、ブロックチェーン基盤を活用したエコシステムの拡大に加え、決済・貿易・地域サービスなどの実業務への適用を見据えた取り組みが目立った。
ソニーによる「Soneium」を活用したエンタメ事業の育成や、SBIとCRB GroupによるRWAトークン化・AIエージェント決済基盤を視野に入れた合弁構想など、大手企業によるエコシステム構築や金融インフラの整備に向けた動きが進んでいる。
一方で、TISIとCARDNETによる加盟店精算・経理処理を含むステーブルコイン店頭決済の実証、STANDAGEとDCPによる電子船荷証券(eB/L)とトークン化預金「DCJPY」を連携させたDvP決済の共同検討、京極町での地域密着型利用権NFTの販売など、ブロックチェーン技術を既存の商流や実務に接続する試みも多様化している。
ブロックチェーン技術の決済・貿易・地方創生・エンタメ分野への活用事例を、エンジニア向けに紹介する。
2026/10/30-11/5のWeb3市場ハイライト
ソニーグループ、ブロックチェーン「Soneium」でエンタメ事業支援プログラム開始 オンチェーン技術活用の新興企業を募集

SBI、米CRB Groupと日本で合弁会社設立へ基本合意 RWAトークン化・AIエージェント決済を検討

TISIと日本カードネットワーク、ステーブルコイン店頭決済を実証 137件全件成功、加盟店精算・経理処理も確認

あるやうむが京極町でNFT販売 道の駅の飲食3品を“一生”利用できる権利

STANDAGEとDCP、電子船荷証券とDCJPYの連携を共同検討 権利移転と代金決済を同期へ

2026/10/30-11/5のWeb3市場まとめ:市場の変化と最新動向
今週掲載された主要トピックは、ブロックチェーン基盤を活用したエコシステム構築から、決済・貿易実務への適用、地域サービスでのNFT活用まで多岐にわたる。技術基盤や事業モデルの構築と並行し、既存の業務フローや制度との連携を見据えた取り組みが進んでいる。
・Soneiumエンタメ支援プログラム:ソニーがブロックチェーン「Soneium」を活用するエンタメ分野のスタートアップやプロジェクトを募集。ファンとの関係構築や事業化を支援する。
・SBIとCRBの金融基盤合弁構想:SBIと米CRBが日本での合弁会社設立に向けて基本合意し、RWAトークン化やAIエージェント決済基盤の構築を検討。円建てステーブルコイン「JPYSC」の活用に向けた連携も視野に入れる。
・ステーブルコイン店頭決済実証:TISIとCARDNETが社員食堂の有人レジで137件の決済を全件正常に完了。ガス代は1件当たり中央値0.1円未満で、加盟店精算や経理処理を含む運用を実証環境で確認した。
・地域飲食利用権NFT販売:あるやうむが京極町の道の駅で提供する飲食3品を対象に利用権NFTを各30口限定で販売し、冬季観光客の誘致と再訪促進を図る。
・eB/LとDCJPYのDvP決済連携:STANDAGEとDCPが電子船荷証券とトークン化預金「DCJPY」を連携させ、貿易における代金決済と権利移転の同時履行に向けた共同検討を進める。
今週の動向は、ブロックチェーンを活用したエコシステム構築と実業務への適用に向けた検討・検証が並行して進んでいることを示している。トークン経済圏の形成やスマートコントラクトによる処理自動化は、業務の効率化や新規ビジネスモデルの創出につながる可能性がある。
一方、実用化に向けては、関連法制度や規制への対応に加え、店舗・金融機関側の業務フローを考慮したシステム設計が重要となる。