SBIホールディングスは、米Cross River Bankを傘下に持つCRB Groupと戦略的業務提携および日本での合弁会社設立に向けた基本合意を締結したと発表した。
円建てステーブルコインやAIエージェント決済などで協業を検討する。
日本で合弁設立へ、RWAと国際決済を事業化検討
2026年10月28日に発表された今回の基本合意では、最終契約の締結と必要な許認可の取得を前提に、日本で合弁会社を設立する方針が示された。
両社の技術や顧客基盤を組み合わせ、日本およびアジア太平洋地域への金融サービス展開を目指す。
合弁会社が検討する事業の柱は、融資債権など現実資産(RWA)のトークン化商品(※)の開発・組成・販売、銀行・決済基盤を活用した国際決済、AIエージェントによる取引に対応する決済基盤の3領域だ。
SBIはこれとは別に、CRB Groupへの戦略的出資も予定している。
CRB Group傘下のCross River Bankは2008年に設立された企業である。
企業が自社サービスに口座、カード、融資、決済などの機能を組み込むための金融インフラを提供してきた。
2026年には米国のソーシャルメディアによる個人間送金サービスの立ち上げを支援し、AIエージェントによる決済も実現したという。
追加の協業案には、信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」をCross Riverのプラットフォームへ導入する構想も含まれる。
機関投資家向け取引や国際取引、トークン化資産の決済に活用する想定だ。
さらに、SBIグループのオンチェーン金融商品を同プラットフォーム経由で提供するほか、Cross Riverの組込型金融技術をSBIの銀行基盤や販売網を通じて展開することも検討しているという。
資産運用分野では、プライベートクレジットやストラクチャード商品に特化したCross River関連の新たな運用ビークルに、SBIが中核的な投資家として参画する可能性も検討する。
なお、これらの取り組みは今後の協議や最終契約の締結、日米の関係当局による許認可などが前提となる。
※現実資産(RWA)のトークン化商品:不動産や融資債権など、現実世界に存在する資産の権利や価値をブロックチェーン上のデジタルトークンとして表現した金融商品。
金融の自動化に期待、実用化には規制対応が課題
今回の提携構想が進展すれば、従来の銀行システムとブロックチェーンを結ぶ金融インフラの整備が加速する可能性がある。
特にRWAのトークン化と国際決済を組み合わせることで、金融商品の流通や資金移動に伴うコスト削減が期待できる。
また、AIエージェントが自律的に商品やサービスを購入する仕組みが普及すれば、決済の自動化は企業の業務効率化にも寄与するだろう。
金融機能を既存サービスに組み込みやすくなることは、フィンテック企業だけでなく、幅広い事業者にとっても利点となり得る。
一方、国境を越えたデジタル資産の取引には、各国の金融規制やマネーロンダリング対策への対応が欠かせないはずだ。
AIによる自動決済では、誤送金や不正取引が発生した際の責任分担も課題になると考えられる。
今後は、技術面の連携に加え、規制に準拠した運用体制をどこまで構築できるかが焦点となりそうだ。
構想が実用化に至れば、日本発のデジタル金融サービスがアジア太平洋地域へ広がる足掛かりとなる可能性がある。
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