村田製作所は2027年3月期中間決算を発表した。データセンター向け部品の需要拡大などを背景に増収増益となり、通期業績予想が上方修正された。
データセンター向け部品が伸長、業績予想を上方修正
2026年10月30日に発表された同年4〜9月期の村田製作所の売上収益は、前年同期比20.8%増の約1兆907億円、営業利益は48.9%増の約2,459億円となった。
税引前中間利益は42.1%増の約2,484億円、親会社の所有者に帰属する中間利益は40.6%増の約1,861億円。固定費の増加や製品価格の値下がりがあった一方、生産高の増加に伴う操業度益(※)や円安が利益を押し上げた。
事業区分別では、コンデンサが33.1%増の約6,055億円と伸長。
積層セラミックコンデンサがデータセンターなど幅広い用途で増加し、インダクタ・EMIフィルタも21.8%増の約1,349億円となった。コンポーネント全体は30.9%増の約7,405億円。
一方、デバイス・モジュールは3.4%増の約3,408億円で、高周波・通信が2.1%減となったものの、エナジー・パワーは5.1%増、機能デバイスは22.1%増だった。
用途別では、コンピュータ用途が61.2%増の約2,351億円と大幅に拡大した。
モビリティ用途は14.6%増の約2,687億円、産業・その他は39.8%増の約1,684億円だった。
一方、通信は5.6%増、家電は2.4%減となった。
なお、コンピュータ用途の数値はデータセンター向け単独の売上高ではない。
通期予想は、売上収益が従来の2兆1,100億円から2兆2,600億円へ、営業利益が4,300億円から5,200億円へ上方修正された。
税引前当期利益は5,320億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は3,960億円に引き上げられた。データセンター需要の高まりに加え、生産高増加による操業度益や品種構成の改善も見込んでいる。
設備投資予想は2,700億円に増額され、第3四半期以降の為替前提は1ドル155円で据え置かれた。
※操業度益:生産量の増加によって工場の稼働率が高まり、固定費の製品1個当たりの負担が小さくなることで生じる利益押し上げ効果。
AIインフラ需要の取り込みに期待、需要変動への備えが焦点か
AI関連需要の拡大を背景にデータセンター投資が進み、電力供給やノイズ対策を担う電子部品にも需要が広がっている。複数の製品群でこの需要を取り込めれば、成長機会の拡大や製品ポートフォリオの強化につながるだろう。
ただし、データセンター投資が同じ勢いで続く保証はない。顧客の投資計画が変化すれば関連部品の需要も影響を受けるほか、家電用途が前年同期比2.4%減となっていることを踏まえると、用途によって需要動向に差があると考えられる。
また、設備投資の増額は将来の供給能力を高める可能性がある半面、生産能力の拡張を伴う場合、稼働率が想定を下回れば固定費が収益を圧迫するおそれもある。
原材料・エネルギー価格や為替の変動も利益を左右するため、売上成長がそのまま利益拡大につながるとも限らない。
今後は、AIインフラ向け需要を持続的な売上と利益に結び付けられるかが焦点となりそうだ。供給能力の拡張とコスト管理を両立し、市場や製品構成の変化に対応できるかが中長期的な成長の鍵となるだろう。
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