東京都のReceptは、Trash Technologiesが展開する都市鉱山由来の循環素材ブランド「NovaMine」のデジタル証明基盤に、DID/VC技術基盤「proovy」が採用されたと発表した。素材の由来や品質、製造履歴を検証可能な形で示す狙いだ。
回収から品質までをVC化、素材の来歴を可視化
NovaMineは、使用済みのスマートフォンやパソコンなどに含まれる金などの有用資源を「都市鉱山」と捉え、再資源化した素材を社会へ循環させるブランドだ。
ブランドを運営するTrash Technologiesは、電子機器の回収からAIを活用した選別、独自プロセスによる精錬までを一貫管理し、素材の品質とトレーサビリティ確保を進めている。
2026年9月17日に採用が発表されたproovyは、DID/VCを活用してデジタル証明書の発行・管理・検証を行う基盤である。
NovaMineでは、原材料の種類、回収元や回収日、精錬工程、純度・成分の分析結果、製造ロット番号、製造場所・製造日などをVerifiable Credentials(※)として素材に紐づける予定だ。
これにより、都市鉱山から回収された資源が、どの工程を経て新たな素材になったのかをデジタル上で確認できるようになる。
両社はまずロット単位での証明書発行に向け、証明項目や発行・確認フロー、運用体制の整備を進める方針だ。
※Verifiable Credentials:発行者が示した資格や属性、履歴などの情報について、改ざんの有無や発行元をデジタル上で検証できる証明データ。VCとも呼ばれる。
循環素材の信頼性向上に期待、運用設計が課題か
デジタル証明を素材と結び付ける利点は、再生素材の「由来」を説明しやすくなる点にありそうだ。メーカーやブランドにとっては、調達した素材がどこから回収され、どの工程で精錬され、どの品質基準を満たしたのかを確認しやすくなり、循環素材の採用判断や対外説明を支える仕組みになり得る。
一方、証明書の信頼性は、データをVCとして発行するだけで自動的に担保されるわけではない。回収や分析、製造の各段階で入力される情報の正確性や、誰がどのタイミングで記録・確認するかといった運用ルールも重要になるはずだ。
ロット単位の証明を実際のサプライチェーンへ組み込むには、現場負担と検証性の両立も課題となるだろう。
両社は将来的に、NovaMine素材が製品へ加工・流通する過程の情報連携や、DPPへの展開も検討している。素材の由来から製品化までの履歴を次の所有者へ引き継ぐことができれば、循環資源の価値を価格や品質だけでなく、履歴の透明性でも示すモデルへ発展する可能性がある。
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