日産自動車、Moplus、KDDIは、神奈川県横浜市のみなとみらい・関内地区周辺で、自動運転車両10台を同時運行する通信技術実証を10月1日から実施すると発表した。
レベル4の社会実装を見据え、多台数運用時の通信品質と運用モデルを検証する。
自動運転10台を同時運行 通信混雑を実環境で検証
2026年9月14日に公表された本実証は、高層ビル群による電波の遮蔽や、観光客・買い物客の往来による通信混雑が想定される横浜市のみなとみらい・関内エリアで行われる。
セーフティドライバーが同乗する自動運転SAEレベル2相当の車両10台を同時に走行させ、遠隔監視に必要なデータ量や通信品質を分析、多台数運用に適した通信モデルを検討する取り組みである。
重要な検証対象の一つとなるのは、大容量かつ超低遅延のリアルタイム映像伝送だ。
自動運転車両の遠隔監視を支える通信について、安定性と運用効率を両立できるかを実運用環境で確認する。
通信が不安定になりやすいエリアでは品質改善も行い、その効果も測定するという。
日産は実証の企画・運営と自動運転車両の提供・運行、Moplusはサービス運営と運用体制の構築支援を行う。
KDDIは事前のエリアシミュレーションや実走行時の分析を踏まえ、基地局のパラメータチューニングを行い、通信環境の評価・改善と多台数運用向け通信モデルの検討も担う。
実施期間は10月1日から30日までで、火曜日から金曜日の8時30分から16時まで運行が行われる。
乗車体験も実施予定で、約500人の一般モニターが募集されている。
車両の乗客定員は3人、乗降地は28カ所で、3社は実証を通じて横浜市で2027年以降のレベル4(※)自動運転モビリティサービスの提供開始を目指す。
※レベル4:特定の条件や区域のもとで、システムが運転操作を担い、人間による運転を前提としない高度な自動運転を指す。
多台数運用に向け 通信品質と効率性が課題に
自動運転サービスの普及には、車両そのものの性能だけでなく、多数の車両を継続的かつ安全に管理できる通信基盤が欠かせないはずだ。
今回の実証で通信要件や運用条件が整理されれば、レベル4サービスを地域交通として展開する際の設計材料になる可能性がある。
特に車両数の増加に伴って遠隔監視向けのデータ通信は増えると考えられるため、10台の同時運行を通じて、通信品質を維持しながら効率的にデータをやり取りする仕組みを確立できれば、運行効率の向上や将来のサービスコスト抑制につながるかもしれない。
一方で、自動運転では通信品質は安定した遠隔監視を支える重要な要素となるため、単純に通信容量のみを増やせばよいというわけでもないだろう。
安全性、品質、経済性をどこまで同時に成立させられるかが重要になりそうだ。
今後、実証で得られた知見をもとに効率的な通信モデルが確立されれば、自動運転車両の多台数運用は現実的な地域交通の選択肢として広がる余地がある。
今回の取り組みは、レベル4を技術実証の段階から継続的なサービス運営へ移すための基盤となるかもしれない。
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