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宮城大学とNTT ExCがAI保健指導教材を共同開発 学生の対話力育成へ

PlusWeb3 編集部
PlusWeb3 編集部 Web3・AI専門メディア

2026年9月、日本の宮城大学とNTT ExCパートナーは、AIアバターを活用した保健師課程向けの対話型教育教材を共同開発したと発表した。保健指導を実践的に学べる新教材として、限られた授業時間や実習機会を補完し、保健医療人材の育成高度化を目指す共同研究の第1弾となる。

AIアバターで保健指導を実践学習

宮城大学とNTT ExCパートナーは、「医療系人材育成のためのAIアバターを用いた革新的教育教材の開発と評価」をテーマに共同研究を開始した。その第1弾として開発した「看護師・保健師コミュニケーションプラクティスAI」は、保健師課程の学生がAIアバターとの対話を通じて保健指導を繰り返し練習できる教材である。

教材では、年齢や生活習慣、健康状態、仕事や家庭環境、健康に対する認識などを設定したAIアバターが保健指導の対象者として応答する。学生は生活習慣の聞き取りや健康情報の提供、行動目標の検討までを実践形式で体験でき、一問一答ではなく質問内容に応じて対話が変化する仕組みを採用した。

開発の背景には、保健指導教育における実践機会の不足がある。ロールプレイや模擬対象者との演習は重要だが、授業時間や教員数、模擬対象者の確保には限界があり、学生が十分な回数を練習できない課題があった。実習施設や実習日数にも制約があることから、自分のペースで何度でも挑戦できる学習環境の整備が求められていた。

教材は「正解を教えるAI」ではなく「保健指導を受ける対象者」としてAIを活用する点が特徴である。同じ事例に対して質問の順序や説明方法を変えたり、対象者の発言をさらに掘り下げたりと、多様なアプローチを試行できる。また、対話後はルーブリック評価(※)を用いて振り返りを行い、改善点を整理したうえで再挑戦する学習プロセスを取り入れている。

共同研究期間は2026年3月から2029年3月までを予定しており、教材を活用した教育プログラムを実施しながら、知識の習得状況や学習意欲、自信、教材のユーザビリティなどを多面的に評価する計画だ。さらに第2弾として、基礎看護学領域で患者との意図的コミュニケーションを学ぶ教材を2026年11月に公開予定としている。

※ルーブリック評価:学習目標に対する達成度を複数の評価基準で可視化する評価方法。自分の強みや改善点を整理し、次の学習につなげる目的で活用される。

AI教材が医療人材育成にもたらす可能性

今回の教材のメリットは、学生一人ひとりが時間や場所を選ばず反復練習できる点にある。対面演習だけでは確保しにくかった実践回数を補い、失敗を恐れず複数の対話パターンを試せるため、保健指導に必要なコミュニケーション力の向上が期待される。

一方で、AIとの対話だけでは実際の対人支援を完全に再現できるわけではない。表情や空気感、信頼関係の構築といった現場特有の要素は対面実習で培われる部分も多く、AI教材はあくまで補完的な役割として活用することが重要になる。

今後、共同研究を通じて教育効果が検証されれば、保健師課程だけでなく看護基礎教育や卒後研修などへの応用も視野に入る。AI技術と対面教育を組み合わせた新たな教育モデルが確立されれば、限られた教育資源の中でも医療人材育成の質を高める取り組みとして広がる可能性がある。

NTT ExCパートナー ニュースリリース

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