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GoogleがGemini Liveを強化|会話だけで作業まで進めるAIエージェントの実力

PlusWeb3 編集部
PlusWeb3 編集部 Web3・AI専門メディア

2026年8月、GoogleはGemini Liveを強化し、声で会話するだけで複数の作業を任せられる新しい機能を発表しました。Gemini Sparkとの連携によって、Google DocsやSheets、Drive、Webを使った作業を進められるほか、Daily BriefではGmailやGoogle Calendarなどにある重要な情報をまとめて確認できます。

さらに、Gmailの整理やPersonal Intelligenceによる過去の情報の活用にも対応し、Gemini Liveは質問に答えるだけのAIから、日々の予定や作業を支える存在へ変わり始めています。声を入口にしてAIへ仕事を任せる使い方が現実的になってきたため、本プロジェクトの詳細を考察します。

会話するAIから「仕事を進めるAI」へ変わるGemini Live

Gemini Liveはこれまで、スマートフォンに話しかけながら質問したり、考えを整理したりできる会話型のAIとして利用されてきました。Googleによると、Gemini利用者の63%が音声でGeminiを利用しており、文字を入力するだけではない使い方が広がっています。

2026年8月の機能強化で大きく変わったのは、音声による会話が「答えを聞くための方法」だけではなく、「作業を頼むための入口」にもなったことです。

これまでの生成AIでは、利用者が質問をして回答を受け取り、その内容をもとに次の作業を自分で進める使い方が中心でした。一方、新しいGemini Liveでは、普段の会話に近い形でやりたいことを伝えると、その内容に合った機能につなぎながら作業を進められます。

利用者が「この作業にはどの機能を使えばよいのか」と毎回考える必要を減らし、一つの会話の流れの中で用件を進められる点が特徴です。

つまり、今回の変化は音声認識の性能が高くなっただけではありません。人がAIの機能を一つずつ選んで操作する形から、まず目的を伝え、その後の作業をAI側に任せる形へ近づいています。Gemini Liveは、情報を教えてくれる会話相手から、頼まれた仕事を実際に進めるAIへと役割を広げていると考えられます。

参照:Google公式ブログ「Turn your voice into action with new productivity features in Gemini Live」

Gemini LiveとSparkで広がる「仕事を任せる」という使い方

参照:Google公式ブログ「Turn your voice into action with new productivity features in Gemini Live」

Gemini Liveで複数の作業を進めるうえで重要になる機能の一つがGemini Sparkです。Sparkは、質問に一度答えて終わるのではなく、いくつかの手順が必要な作業や、一定期間続く作業まで進められるAIエージェントです。

Gemini Liveから普段の会話と同じように目的を伝え、その後の作業をSparkへつなげられるため、一つひとつの操作を人が行う負担を減らせます。ここでは、Googleが紹介している例をもとに、Sparkによってどのような使い方が広がるのかを見ていきます。

複数のGoogleサービスをまたぐ作業をまとめて進められる

Sparkの特徴の一つは、一つのアプリだけで作業を終わらせるのではなく、Google Docs、Sheets、Drive、Webなどを使いながら複数の手順を進められることです。

たとえば、必要な情報をWebで調べ、その内容を確認し、資料にまとめる作業では、これまで人が複数の画面を行き来する必要がありました。Sparkでは、最初に「何を完成させたいのか」を伝えることで、その目的に向けて必要な作業を進められます。

Googleの公式ヘルプでも、Sparkは利用者から大まかな目標を受け取り、必要に応じて接続したGoogleサービスやWebを使いながら作業を進める仕組みとして説明されています。

Calendarでは予定に関する操作、Gmailではメールの検索や要約、返信文の作成などにも対応しています。利用者がアプリごとに作業を分けて考えるのではなく、「やりたいこと」を中心にAIへ頼める点が、従来のチャット型AIとの大きな違いです。

まとまっていない考えから資料の形まで整理できる

Gemini LiveとSparkの組み合わせは、最初からきれいな指示を用意しなくても使えることが特徴です。

Googleが紹介している例では、移動中などに思いついたアイデアや計画をGemini Liveへ自由に話すと、Sparkが話の内容から大切なポイントを整理し、Google Docsの構成案としてまとめます。

利用者が最初から文章の順番を考えたり、見出しを決めたりする必要はありません。思いついた内容を順番に話し、後から作業しやすい形へ整えてもらえます。

この使い方は、新しい企画を考える場面や、会議前に頭の中を整理する場面などにも応用できると考えられます。たとえば、気になっている課題、試したいアイデア、確認したい内容などを順不同で話し、それを後から読みやすい形にまとめる使い方です。

音声が単なる文字入力の代わりになるのではなく、考えを仕事につなげる入口になることがポイントです。パソコンの前に座ってから作業を始めるのではなく、思いついた時点から準備を進めやすくなります。

一度だけではなく、続けて行う作業にも使える

Sparkは、その場で終わる作業だけでなく、数日から数週間にわたって続く作業にも対応しています。Googleは利用例として、家族向けの1週間の食事計画を管理し、高たんぱくのベジタリアンメニューを考え、Google Docsに保存しているレシピをもとに買い物リストまで作成する方法を紹介しています。

このような作業を毎週最初からやり直すのではなく、継続してAIに任せられることがポイントです。Sparkには、決めた日時や特定の条件に合わせて作業を始めるスケジュール機能もあります。たとえば毎週決まった曜日に作業を始めたり、条件に合うメールを受け取ったことをきっかけに処理を進めたりできます。

この仕組みが広がれば、生成AIは「必要になったときだけ開いて質問する道具」から、決められた仕事を継続して支える存在へ変わっていく可能性があります。

なお、2026年8月末時点のGoogle公式ヘルプでは、Sparkの利用には18歳以上であること、個人のGoogleアカウントを利用していること、Google AI ProまたはGoogle AI Ultraの対象プランを利用していることなど、いくつかの条件があります。仕事用や学校用のGoogleアカウントでは現在利用できません。

必要な情報を「探す」手間も減らすGemini Live

仕事や生活では、何かを始める前に「今日の予定は何か」「大切なメールは届いているか」「前に見た情報はどこにあるか」を確認する時間がかかります。

Gemini Liveでは、こうした情報確認にも音声を活用できます。Daily Briefではその日に確認したい情報をまとめ、Gmailでは必要なメールを声で探し、Personal Intelligenceでは過去の会話や接続したGoogleサービスをもとに関連する情報を見つけます。

Sparkが「作業を進める」役割を持つのに対し、これらの機能は「必要な情報を見つけやすくする」役割を持っています。

Daily Briefで「今日確認したいこと」をまとめて把握する

Daily Briefは、その日に確認しておきたい情報をまとめて伝える機能です。

Gemini LiveからDaily Briefを呼び出すことで、GmailやGoogle Calendarなどにある重要な情報を音声で確認できます。Googleは英語で「What’s my daily brief?」「What’s my day look like?」などと話しかける利用例を紹介しています。

これまで朝の予定を確認するときには、Calendarを開き、メールを確認し、必要に応じて過去のやり取りまで探すことがありました。Daily Briefでは、それらの情報をまとめながら、「今日は何を確認しておくべきか」を把握しやすくします。

単に予定を順番に読み上げるだけではなく、複数の情報を組み合わせながら、その日の重要な内容をわかりやすくすることが特徴です。

ただし、2026年8月末時点ではDaily Briefの利用条件が限られています。Google公式ヘルプでは、米国で18歳以上の個人Googleアカウント利用者を対象に段階的に提供されており、現在は英語のみの対応です。そのため、日本語ですべての利用者が使える機能ではない点には注意が必要です。

Gmailを開かなくても声で必要なメールを探せる

Gemini Liveでは、受信トレイを確認するために画面を操作し続ける必要も減っていきます。

Googleが紹介している使い方では、「新しいメールはあるか」「今日、子どもの学校から重要なメールは届いているか」といった内容を声で質問できます。条件に合うメールを探したり、長い内容を短くまとめたりするだけでなく、スターの追加、アーカイブ、削除といった整理も音声で行えます。

この機能で便利なのは、メールの件名や送信者を正確に覚えていなくても、「何を知りたいのか」をそのまま伝えられることです。

受信トレイに多くのメールがたまっている場合、一通ずつ開いて確認するには時間がかかります。しかし、「今日届いた重要な連絡を確認したい」といった目的から探せるようになれば、必要な情報へたどり着くまでの負担を減らせます。

移動中や家事をしているときなど、画面を長く見ることが難しい場面でも利用しやすく、音声を使うGemini Liveならではの便利さにつながります。

Personal Intelligenceで以前の情報を探し直す手間を減らす

Personal Intelligenceは、Geminiとの過去の会話や、利用者が接続したGoogleサービスの情報を組み合わせながら、その人に合った回答をしやすくする仕組みです。

対象となるサービスにはGmailやCalendar、DriveなどのGoogle Workspaceサービスのほか、Google Photosなどが含まれます。利用者は設定画面から接続するアプリを選択でき、後から変更することもできます。

Googleは例として、「去年の夏にニューヨークへ行ったときに利用したレストランの名前を教えて」と尋ねる使い方を紹介しています。利用者自身がメール、写真、過去の会話などを一つずつ探さなくても、Geminiが関係する情報を確認しながら答えを探します。

また、「昨日話していたレシピを出して」といった、以前の会話を前提にした質問もできます。

毎回最初から事情を説明し直すのではなく、これまでの情報とのつながりを使えることが、Geminiをより身近なアシスタントに近づけるポイントです。ただし、Geminiが情報を必ず正しく理解するとは限りません。大切な予定や重要な情報については、最終的に利用者自身が確認することも必要です。

Gemini Liveでは「何を任せるか」を自分で決めることも大切になる

Gemini Liveの便利な機能を使ううえでは、「何ができるのか」だけでなく、「どの情報を使わせるのか」を利用者自身が決めることも大切です。

Personal Intelligenceでは、対応しているGoogleサービスをすべて接続することも、利用したいサービスだけを選ぶこともできます。接続した内容は後から変更できるため、自分の使い方に合わせて見直せます。

Gemini Liveを使う際は、必要に応じてPersonal Intelligenceの設定からアプリを接続し、GeminiアプリのLiveアイコンから会話を始めます。ただし、利用できるサービスや機能は、端末、地域、言語、Googleアカウントの種類、利用しているプランなどによって異なります。

また、Personal Intelligenceで接続するアプリを利用者が選べる一方、Google SearchやYouTubeなどの公開情報については、接続設定とは別にGeminiが利用する場合があります。そのため、「すべての情報をAIに渡すか、まったく渡さないか」という単純な仕組みではなく、サービスごとの設定や使われ方を確認することが重要です。

AIが生活や仕事に深く関わるほど、便利だからすべてを任せるのではなく、「情報を調べるところまで任せる」「重要な変更は自分で確認する」といった使い分けが必要になります。Gemini Liveの進化によってAIに任せられる範囲が広がるからこそ、利用者自身がその範囲を決めながら使うことが、安心して活用するためのポイントになると考えられます。

今後の展望

Gemini LiveとSparkの組み合わせがさらに広がれば、生成AIは質問に答えるだけの存在から、利用者の目的を聞き、必要な仕事を続けて進める存在へ変わっていく可能性があります。ここでは、音声を使った仕事の進め方、会社での活用、人とAIの役割分担という3つの視点から今後を考えます。

「アプリを操作する」より「やりたいことを伝える」使い方が増える

Gemini Liveのエージェント機能が広がることで、スマートフォンやパソコンの使い方そのものが少しずつ変わる可能性があります。

これまでは、予定を確認するならCalendar、メールを探すならGmail、文章を書くならDocsというように、人が目的に合ったアプリを選び、それぞれの画面を操作する必要がありました。

一方、Gemini Liveでは、まず「何をしたいのか」を自然な言葉で伝え、その内容に合わせて必要な機能へつなげる考え方が取り入れられています。

今後この仕組みがさらに広がれば、人が「どのアプリを開けばよいのか」を考える場面は減っていく可能性があります。たとえば出張の準備であれば、予定の確認、関連メールの整理、必要な情報の確認、資料の準備などを一つずつ始めるのではなく、「来週の出張に必要な準備を整理して」と伝えるところから作業が始まる形です。

Gemini Liveでは声を使えるため、こうした依頼をパソコンの前だけで行う必要もありません。移動中に思いついた仕事を伝えたり、朝の支度をしながら今日の準備を進めたりする使い方も考えられます。

そのため今後は、アプリの細かな操作を覚えることだけでなく、「何をしてほしいのか」「どの条件を守ってほしいのか」をわかりやすく伝える力も大切になるでしょう。人が操作方法に合わせるのではなく、AIが人の目的を理解して必要な機能につなぐ形が広がれば、デジタル機器との付き合い方そのものが変わる可能性があります。

個人で使うAIの仕組みが、将来は会社の仕事にも生かされる可能性がある

2026年8月末時点では、Gemini Sparkは個人のGoogleアカウント向けに提供されており、仕事用や学校用のGoogleアカウントでは利用できません。そのため、現在のSparkをそのまま会社全体の業務に導入できるわけではありません。

ただし、Sparkの仕組みを見ると、将来の仕事でAIを活用する方法を考えるうえで興味深いポイントがあります。

Sparkでは、「何をするのか」を決めるタスク、「いつ行うのか」を決めるスケジュール、「どのように進めるのか」を決めるスキルという考え方が用意されています。

特にスキルは、よく行う仕事の進め方を繰り返し利用しやすくする仕組みです。この考え方が将来的に会社向けのサービスにも広がった場合、社員一人ひとりが毎回AIへ細かな指示を出すのではなく、会社や部署が仕事の進め方をあらかじめ整えておく形も考えられます。

たとえば営業部門であれば、商談前に必要な情報を集める流れを決めておく方法があります。採用部門であれば、面接前に確認する情報を整理する流れを共通化できるかもしれません。管理部門では、毎月行う資料準備や確認作業を決まった手順としてAIへ任せる使い方も考えられます。

こうした仕組みが実現すれば、AI活用は「社員が便利な質問方法を覚えること」だけではなく、「会社としてAIにどの仕事を、どの手順で任せるか」を考える段階へ進む可能性があります。

現時点では将来についての考察ですが、Sparkがタスク、スケジュール、スキルを分けて管理する仕組みは、これからAIを仕事に組み込む方法を考えるうえで一つの参考になると考えられます。

「AIを使うルール」だけでなく「AIにどこまで任せるか」を決める必要が出てくる

Gemini LiveやSparkのように、AIが実際の作業まで進めるようになると、利用する側のルールも変わっていくと考えられます。

これまでの生成AIでは、文章を作ったり、情報を調べたりする使い方が中心だったため、「AIが出した内容が正しいか」を確認することが重要でした。

しかし、予定を変更する、メールを整理する、決められた条件で作業を始めるといった操作までAIが行うようになると、「どこまで自動で任せてよいのか」という判断も必要になります。

GoogleもSparkについて、大切な情報や慎重に扱う必要がある作業では、利用者の確認や入力が必要になる場合があると案内しています。また、一部の作業では、実際に処理を終える前に利用者へ確認を求める場合があります。

この考え方は、今後AIエージェントを会社で使う場合にも重要になるでしょう。

たとえば、「メールを探して内容をまとめるところまでは自動でよい」「社外へメールを送る前には人が確認する」「予定の追加は任せてもよいが削除には確認が必要」といった形で、作業ごとに任せる範囲を決める方法が考えられます。

Gemini Liveは声で気軽に頼めることが大きな魅力ですが、頼みやすくなるほど、自分が何を頼んだのかを後から確認できることも重要になります。

AIが多くの作業を担当し、人は大切な判断や最終確認を担当する形が広がれば、「AIを使えるかどうか」よりも、「どの仕事をAIに任せ、どの部分を人が確認するか」を決める力が重要になります。Gemini Liveの進化は、便利な音声AIが増えるというだけではなく、人とAIが仕事を分け合う方法を考えるきっかけにもなると考えられます。

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