一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)は、日本円建ステーブルコイン「JPYC」による年会費の支払いを導入した。業界団体として初の試み(同協会調べ)と位置づけ、今後は協会運営での活用も検討する。
BCCCがJPYCを会費支払いに追加
2026年8月19日の発表によると、BCCCは同年7月から、会員企業が年会費を支払う際の選択肢にJPYCを追加した。利用するウォレットは「unWallet」と「HashPort Wallet」で、対応するステーブルコインは現時点でJPYCとなる。
BCCCは、ステーブルコイン(※)を取り巻く国内環境が整備されてきたことを背景に、今回の導入を決定した。2023年6月の改正資金決済法施行後、法的な位置づけや安全な流通に向けた枠組みが整えられてきたという。
同協会は2017年7月、円(JPY)に対して為替が安定した日本初のステーブルコイン「Zen」を発行した。発行総額約8.5億円、BCCC加盟企業約10社が参画する実証実験を実施し、2020年2月には「ステーブルコイン部会」(現・ステーブルコイン普及推進部会)を設置して技術啓発を続けている。
今回の導入では、JPYCによる支払いを通じて企業におけるステーブルコインの利活用を促すとともに、税務や会計処理に関する知見を蓄積する狙いもある。
今後は、協会運営における経費支払いへの活用や、JPYC以外のステーブルコインへの対応も検討する方針だ。
※ステーブルコイン:法定通貨などの価値に連動することを目指して設計されたデジタル資産を指す。JPYCは日本円建てのステーブルコインとして発行されている。
会費以外への活用で業務効率化も
JPYCの利用範囲が会費から運営経費へ広がれば、BCCC自身が企業活動における具体的な支払い手順を検証しやすくなると考えられる。日常的な経費処理まで対象にすることで、実務で確認すべき事項も整理しやすくなるだろう。
特に、支払い記録の管理や社内での承認フローなど、導入前には見えにくい運用上の課題を把握する機会になり得る。
こうした経験が蓄積されれば、企業が導入を検討する際の判断材料にもつながるとみられる。
一方、ステーブルコインを経費処理に組み込む場合、既存の会計業務との整合性や担当者の運用負担には注意が必要になるだろう。利用場面が増えるほど管理項目も増えるため、利便性だけでなく業務フロー全体で評価する視点が求められそうだ。
また、海外企業との取引を想定すると、入金手続きの効率化という観点からも検討余地がある。
実際の利用を重ねながら、国内企業だけでなく海外との資金移動に適した運用方法まで整理できれば、ステーブルコインの企業利用を考えるうえで参考になる事例となるかもしれない。
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