KDDIは東京ビッグサイトで開催される「コミックマーケット108」に向け、5Gの臨時通信対策を発表した。
ミリ波中継器を載せた車載型基地局と、ミリ波をバックホールに使うWi-Fiを試験導入し、屋外の混雑エリアで通信品質の向上を図る。
夏コミでミリ波活用を拡大、臨時基地局6台を設置
2026年8月14日、KDDIは8月15~16日のコミックマーケット108で、5G(Sub6)および5G SA(※1)に対応する車載型・可搬型基地局を計6台設置することを発表した。
開場前には多数の来場者が屋外の待機列へ集中し、通信が不安定になる可能性があるため、既設基地局に加えて臨時設備を投入するとのことだ。
6台のうち東側の車載型2台と西側の可搬型1台には、3.7GHz帯と4.0GHz帯の2周波数へ対応する「DB-MMU」を搭載する。
KDDIによると、単一周波数対応の従来装置と比べ、最大2倍の利用者を接続できるという。
さらに、5Gミリ波中継器を搭載した車載型基地局を運用する。
KDDIによると、イベント時の通信品質強化の対策として初めての運用だという。
ミリ波対応の車載型基地局1台と中継器搭載車2台を連携させ、電波干渉を抑えながら混雑地点へピンポイントでミリ波エリアを広げる。
加えて、ミリ波をバックホールとして利用し、中継器とCPEを介してWi-Fiを提供する仕組みも試験導入する。
ミリ波非対応スマートフォンでも高速通信を利用できるようにし、トラフィックをWi-Fiへ逃がすことでモバイル網全体の負荷軽減も検証する計画だ。
※1 5G SA:4G設備に依存せず、5G専用のコアネットワークと基地局で構成する方式。低遅延やネットワークスライシングなど、5G本来の機能を活用しやすい。
ミリ波活用で大規模イベントの通信対策を強化へ
今回の取り組みの利点は、来場者が密集する場所へ通信容量を柔軟に追加できる点にある。
特にミリ波中継器は、常設基地局を大量に増やさずに狙った範囲を補強できるため、短期間に人流が集中するフェスやスポーツ大会との相性がよいと考えられる。
Wi-Fiへのオフロード(※2)も重要だ。
ミリ波対応端末以外にも高速回線を提供できれば、一般的なWi-Fi対応端末へ高速回線を届けられれば、ミリ波設備の活用範囲を広げつつ、携帯回線の混雑緩和にもつながる可能性がある。
一方、ミリ波は高速・大容量である反面、遮蔽物や距離の影響を受けやすく、会場ごとの配置設計が欠かせないだろう。
イベント特有の混雑や人流の変化があるなか、中継器やWi-Fiがどの程度安定した通信環境を提供できるかも検証点となりそうだ。
KDDIは今回の検証結果を、大規模な野外フェスやスポーツイベントにも展開する方針を示している。
夏コミで有効性が確認されれば、混雑時の通信容量を一時的に増強する手段として、ミリ波の活用が広がるかもしれない。
※2 オフロード:通信トラフィックを別のネットワークへ振り分け、特定の回線にかかる負荷を軽減する仕組み。今回の取り組みでは、モバイル通信の一部をWi-Fiへ移すことで、モバイルネットワークの負荷軽減を図る。
KDDI「コミックマーケット108における屋外の5Gエリア対策を実施、ミリ波中継器搭載の車載局も初導入」
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