2026年8月11日、海外のAI開発企業LTXは、最新のオープンウェイト世界モデル「LTX-2.5」を発表した。動画生成やリアルタイム処理、ロボット開発向けの性能を強化するとともに、オープンウェイト(※)として公開し、ComfyUIへの初日対応やローカル環境での運用を可能にした。
LTX-2.5公開、動画生成と物理AIを強化
LTX-2.5は、品質・処理効率・推論速度を大幅に高めた最新の世界モデルである。映画制作やロボティクス、リアルタイム映像生成などで利用される基盤モデルとして設計されており、公開と同時にダウンロードして自社環境で利用できるようになった。
今回のアップデートでは、動画生成パイプラインの大部分を刷新した。新たな動画デコーダーによって激しい動きでも映像の乱れを抑え、ネイティブのマルチショット機能により複数シーンをまたぐ人物や背景、音声の一貫性を維持できる。また、Gemma 4を基盤とした独自の言語処理機能を採用し、複雑なプロンプトへの理解力も向上したという。
さらに、物理AIやロボット向けの事前学習済みモデルを提供し、各社が独自データで追加学習できる構成を採用した。NVIDIAとの共同最適化によりRTX GPUやDGX Sparkでのローカル推論にも対応し、少ないメモリ消費で高品質な生成を実現するとしている。
LTXは、公開初日からComfyUIでネイティブ利用できるほか、Hugging FaceやLTX APIでも提供を開始した。年間経常収益1,000万ドル未満の組織は無償で利用でき、自社ハードウェア上でデータや知的財産を保持したまま運用できる点も特徴となる。
※オープンウェイト: AIモデルの学習済みパラメータを公開し、利用者が自社環境で実行・改良・追加学習できる提供形態。クラウドサービスに依存せず、高い自由度で運用できることが特徴。
オープン戦略が実用化を後押しする可能性
LTX-2.5の大きな特徴の一つは、高性能な世界モデルであることに加え、企業が自社環境で運用・改良しやすい基盤を提供している点と言える。映像制作やロボット開発では、データや知的財産を外部へ渡さずに済むことが、導入を後押しする要因になる可能性がある。
一方で、導入後には用途に応じた追加学習や運用環境の構築が求められるため、高い性能だけで幅広い普及が進むとは限らない。実運用には十分な技術力やハードウェア管理も必要になると考えられる。
それでも、動画生成からリアルタイムアプリケーション、物理AIまで同じ基盤を活用できる環境が整えば、開発効率やカスタマイズ性はさらに高まる可能性がある。今後は、クローズドモデルとの性能競争だけでなく、「オープンで自由に使える世界モデル」がAI開発における有力な選択肢の一つとして存在感を強めていくことも考えられる。
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