2026年7月31日、国内の自動運転技術開発企業ロボトラックは、シリーズAラウンドのファーストクローズで約52億円を調達した。大型トラック向け完全自動運転システムの開発を加速し、日本の物流課題解決に向けた社会実装を進める。
ロボトラック、52億円調達で開発加速
大型トラック向け完全自動運転システムを開発するロボトラックは、第三者割当増資によるシリーズAラウンドのファーストクローズを実施した。JICベンチャー・グロース・インベストメンツをリード投資家とし、スパークス・アセット・マネジメントや三菱UFJキャピタルなどが新規投資家として参加している。
今回の資金調達の背景には、物流業界が抱えるドライバー不足や輸送効率化への需要がある。日本政府も2030年までに自動運転トラック1,000台の導入目標を掲げており、自動運転技術は成長戦略上の重要分野として位置づけられている。
ロボトラックは2024年の設立以来、経済産業省や国土交通省の実証事業に参画し、レベル4自動運転システム(※)の社会実装に向けた走行検証を進めてきた。2026年5月には、神奈川県の厚木南ICから愛知県の豊田JCTまで約260kmの高速道路区間を、セーフティドライバーによる介入なしで自動運転走破した実績も持つ。
調達資金は、実証車両の増備や安全性向上、自動運転システムの開発、走行データ基盤への投資などに活用される予定である。
※レベル4自動運転システム:特定条件下において、運転操作のすべてをシステムが担う自動運転技術。
国産フィジカルAIが物流を変える可能性
ロボトラックが目指すのは、高速道路での幹線輸送から物流施設周辺の一般道、施設内運行までを一体的に担う国産レベル4自動運転システムの実現である。その技術基盤の一つとして、現実世界を理解し、車両の行動生成や制御を行うフィジカルAI(※)技術の活用が挙げられる。
物流業界では、トラックドライバー不足や輸送効率の向上が長年の課題となっている。完全自動運転トラックが実用化されれば、ドライバー不足への対応や輸送網の安定化に寄与する可能性がある。また、物流事業者が自らの輸送網や車両に導入できる仕組みが整えば、現場に応じた柔軟な運用につながることも期待される。
一方で、社会インフラである物流領域への導入には、安全性評価や法制度への対応、既存オペレーションとの融合など、解決すべき課題も残されている。特に完全無人運転の実現に向けては、技術性能に加え、事故発生時の責任範囲や社会的な信頼形成が重要な論点になる可能性がある。
今後、ロボトラックはE2E AIや世界モデルなどを活用したフィジカルAI技術の開発を進め、安全性と実用性を両立したレベル4自動運転システムの構築を目指している。国産技術による物流自動化が広がれば、日本の物流産業の効率化だけでなく、海外市場への展開につながる可能性もある。
※フィジカルAI:センサー情報などを基に現実世界を認識し、物理的な行動や制御を実行するAI技術。
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