ソニーグループは、日本と米国の大学研究室に研究開発用途向けaiboの試作機と開発ツールのベータ版を貸し出すと発表した。
人と共生するロボットやフィジカルAIの研究に協力し、「SIGGRAPH 2026」でも試作機を展示する 。
日米2大学に研究用aiboを貸与
2026年7月17日、ソニーは、東京大学大学院情報理工学系研究科の岡田慧研究室と、カリフォルニア大学バークレー校のKanazawa Angjoo助教授の研究室に、aiboの研究開発用途向け試作機と開発ツールのベータ版を貸し出すと発表した。
家庭向け製品として培った機体を、研究者が新たな学習手法や対話体験を検証する基盤として活用する取り組みだ。
東京大学では、交流創出支援や対話型共同作業、思い出の共有による親密度向上など、人と暮らすロボットの在り方を研究してきた。
岡田教授は今回の試作機を、実世界で知能を働かせる「フィジカルインテリジェンス」の研究基盤の一つと位置付けている。
一方、UCバークレーでは、aiboを活用し、社会性や触覚を取り入れたロボット学習アルゴリズムの研究を進める。
ソニーは、研究者や開発者、クリエイターが求める開発機や開発環境について意見を集め、aiboの将来的な製品開発に生かす考えだ。
さらに、7月21日から23日まで米カリフォルニア州で開かれる「SIGGRAPH 2026」のソニーグループブースで試作機を展示する。
研究機を社外に開くことで、大学との研究協力を通じて開発者らとの連携を深め、開発コミュニティとともにロボットの社会実装に向けた取り組みを加速する狙いがある。
※フィジカルAI:AIがロボットや機械を通じて現実空間を認識し、判断や動作まで行う技術領域。認識・推論と身体制御を統合する点に特徴がある。
研究開放がaiboの用途を広げる
今回の協力は、aiboを完成品として販売するだけでなく、外部研究者が新たな学習手法や対話体験を検証するための研究基盤へ近づける動きと捉えられる。
大学側にとっては、人とロボットの関係性や、社会性・触覚を活用した学習手法を研究する基盤となり得る。
ソニーにも、自社だけでは得にくい利用場面や技術課題を早期に把握できる利点があるだろう。
ただし、研究用試作機の貸与が直ちに一般向け機能の追加を意味するわけではない。
安全性、個人情報の管理、誤作動時の責任、研究成果を製品へ転用する際の権利整理といった課題も残る。
社会性や触覚を扱うロボットほど利用者の感情や生活データに深く関わるため、性能だけでなく運用ルールの設計が重要になりそうだ。
大学で得られた成果やフィードバックが製品開発に生かされれば、aiboの機能やサービスが拡充され、オーナーとともに成長するパートナーとしての役割がさらに広がる可能性がある。
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