2026年7月8日、KDDIアイレットは、新サービス「AI 駆動開発 on Google Cloud」の提供を開始した。Google Cloudの生成AIをシステム開発ライフサイクル全体へ組み込み、要件定義から設計、開発、テスト、運用までを一貫して支援する。開発期間の短縮やコスト削減を通じ、企業のAX(※)推進を後押しする狙いだ。
AIで開発工程全体を刷新
KDDIアイレットの「AI 駆動開発 on Google Cloud」は、Google Cloudの生成AIやクラウドサービスを活用し、企画から要件定義、基本設計、実装、テスト、運用・改善まで、システム開発ライフサイクル全体をAI中心で進める新サービスである。
従来のシステム開発では、要件定義書や仕様書をもとに開発を進めるため、完成イメージの認識のずれによる手戻りや、PoCから本番開発への移行が円滑に進まないケースが課題となっていた。同サービスでは、要件定義の初期段階からAIが動作するプロトタイプを迅速に生成し、利用企業と実際の画面を確認しながら開発を進めることで、設計のブレを抑え、本番環境を見据えた開発を短期間で実現するとしている。
さらに、Google Workspaceとの連携やGoogle Cloudのデータ基盤、セキュリティ機能を組み合わせることで、新規システム開発だけでなく、老朽化したレガシーシステムのモダナイゼーションや、複数のSaaSに分散した業務環境の最適化にも対応する。KDDIアイレットはGoogle Cloudのプレミアパートナーとして培った導入実績や生成AI活用の知見を生かし、AI戦略の策定からシステム運用までをワンストップで支援する方針である。
※AX(AIトランスフォーメーション): AIを企業活動全体へ組み込み、業務プロセスやビジネスモデルを変革して競争力を高める取り組み。
AI開発の普及で競争力向上も課題残る
AIを開発工程全体へ組み込むことで、企業は開発期間の短縮やコスト削減に加え、人材不足への対応や品質向上などの効果が期待される。特にレガシーシステムの刷新では、設計書不足や属人化した運用をAIが補完することで、モダナイゼーションの負担を軽減できる可能性もある。
一方で、AIが生成した設計やコードをそのまま採用することにはリスクも伴う。生成AIは誤った仕様やセキュリティ上の問題を含む成果物を出力する可能性があるため、品質保証や最終判断については、人によるレビューを継続することが重要になる。また、AIを前提とした開発体制を整備するには、社内ルールの策定や人材育成、ガバナンスの整備も求められるだろう。
今後は、AIを個別業務の効率化にとどめるのではなく、開発プロセス全体へ組み込む取り組みが国内企業でも広がる可能性がある。こうした流れが進めば、AIを開発プロセスへ適切に取り入れた企業とそうでない企業との間で、生産性や開発スピードに差が生じる可能性も考えられる。
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