2026年6月8日、日本のKDDIアイレットは、AI総合ソリューション群「gaipack」のブランドアーキテクチャを刷新したと発表した。企業のAI導入から運用までを20サービスへ再編し、導入フェーズに応じた選択を容易にする新体系へ移行。AI活用の定着と内製化を後押しし、日本企業のAX推進強化を狙う。
20サービス再編でAI導入を段階支援
KDDIアイレットは、AI総合ソリューション群「gaipack」のブランド体系を刷新し、新たなサービス体系での提供を開始した。
今回の再編では、「AI駆動開発(How)」「AI活用基盤(Base)」「AI活用プロダクト(What)」の3階層へ整理。さらに、「導入の入り口」「内製化・教育」「実行・開発」「拡張・運用」の4フェーズに沿って20のサービスを配置した。
導入支援の「gaipack コンサルティング」、教育プログラム「AIDDキャンプ」、3カ月でPoC(※)を実施する「AIDD MVP」、社内ナレッジ検索を担う「gaibot」、AIガバナンスを支援する「gaipack ガバナンス」などを展開。企業は自社の成熟度や課題に応じて必要なサービスを選択しやすくなる。
背景には、生成AI市場の急拡大がある。その一方で、「導入したが成果につながらない」「何から着手すべきか分からない」といった課題も顕在化していた。KDDIアイレットは、こうした状況に対し、AI導入から実装、運用までを一気通貫で支援することで、企業のAX推進とAI内製化の加速を目指すとしている。
※PoC:Proof of Conceptの略。新技術や新サービスの有効性を検証するための実証実験。本格導入前の判断材料として活用される。
AX成功の鍵は「実装力」と統制
今回の刷新は、企業のAI活用において「導入そのもの」ではなく、「成果につなげる運用体制」への関心が高まりつつあることを示唆する動きとも受け取れる。
メリットとして注目されるのは、導入から教育、開発、運用までをフェーズごとに整理した点だ。AI人材が不足する企業にとっても、段階的に取り組みやすくなる可能性があり、属人化していたノウハウの標準化を進める一助となることも期待される。特にAIDD(※)による開発プロセスの共通化は、開発スピードや品質向上につながる可能性がある。
一方で、AI活用の拡大に伴い、情報漏洩やシャドーAIの利用といったリスクへの対応も重要になる。全社導入を急ぐあまり、ガバナンス体制や利用ルールの整備が後手に回れば、期待した効果を十分に得られない恐れも否定できない。
今後は、個別ツールの導入競争だけでなく、教育・実装・統制を含めた「AXの実行力」が企業競争力の重要な要素の一つになるとの見方も強まりそうだ。今回のgaipack刷新は、日本企業のAI活用が実証実験にとどまらず、社会実装を見据えた段階へ進みつつあることを象徴する事例の一つと捉えることもできる。
※AIDD:AI-Driven Developmentの略。AIを活用して要件定義から設計、実装、テストまでの開発工程全体を支援・効率化する開発手法。
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