詐欺対策サービスを提供するトビラシステムズは、5月の詐欺電話・詐欺SMS調査を公表した。
PayPay送金詐欺のSMS件数は2月比で22.4倍に増え、ゲームやトレーディングカード関連サービスを装う手口も確認された。
PayPay送金詐欺が2月比22.4倍に
2026年6月24日、トビラシステムズは、同年5月1日から31日までに確認した詐欺電話や詐欺SMSに関する独自調査レポートを公開した。
5月に確認された詐欺SMSのうち、金融・決済サービスをかたる手口の割合は51.9%となり、全体の半数を占めた。
増加の要因となったのが、未納料金などの支払いを装ったSMSから、電子決済サービス「PayPay」の送金画面へ誘導する手口である。
同社が5月末までに確認したPayPay送金詐欺のSMS件数は、増加が始まった2026年2月と比べて22.4倍に達した。
発生当初は携帯電話料金や水道料金の未納を装う内容が中心だった。その後、電気料金や税金、社会保険料、クレジットカード料金など、日常生活に関係する支払いを名目としたSMSも確認されている。
さらに2026年6月ごろからは、オンラインゲームやトレーディングカード購入サイトなど、娯楽系サービスや事業者の名称がPayPayの送金画面上に表示される事例が新たに確認された。
偽SMSには「先月分のお支払いが確認できませんでした」などの文言が記載され、URLを開くとPayPayアプリの送金画面へ移動する。
詐欺電話では、5月に新たに迷惑電話番号データベースへ登録された番号の60.2%を国際電話番号が占めた。
「+1」で始まる番号から警察官や金融機関などをかたる電話や、自動音声からオペレーター役へ誘導する手口も確認されている。
身近な決済ほど誤認リスクが高まる
PayPay送金詐欺の厄介な点は、偽の決済画面ではなく、利用者が普段から使っている正規アプリの送金機能へ誘導されることだと言える。
画面や操作方法に見覚えがあるため、支払い先や送金理由の確認が不十分なまま手続きを進める危険性が高いと考えられる。
また、ゲームやトレーディングカード関連サービスを装う手口は、公共料金の未納に心当たりがない若年層にも対象を広げる可能性がある。
趣味に関する購入履歴や抽選、予約代金などを想起させる内容であれば、利用者が正規の請求だと思い込む場面も増えると考えられる。
一方、送金前に公式アプリの利用履歴や契約状況を確認すれば、被害を回避できる余地は大きい。
SMSに記載されたURLを起点とせず、公式アプリやブックマーク済みの正規サイトから情報を確認する習慣が重要となるだろう。
決済サービス側にも、不自然な送金先や詐欺に使われたアカウントを早期に検知し、利用者へ警告する対策が求められる。
ただし、技術的な検知だけですべての送金を防ぐことは難しい。利用者が送金先と目的を確認し、不審な場合は操作を中止することが、最も基本的な防止策になりそうだ。
関連記事:
特殊詐欺の被害金追跡がオンライン化 警察と9銀行が即時連携へ
