2026年6月23日、GMOインターネットグループは、パートナー約8,300人を対象にAI音声入力を推進する「プロジェクト・ウィスパー for AI byGMO」を開始したと発表した。生成AIへ「声」で指示を出せる環境を全社へ整備し、AIを前提とした業務改革を加速させる。
AI音声入力を全社展開し業務改革を加速
GMOインターネットグループは6月22日から、「プロジェクト・ウィスパー for AI byGMO」を開始した。生成AIへの指示を音声で行うことを推奨する取り組みであり、AI音声入力ツール「Typeless」や「Aqua Voice」を活用して、キーボード中心の業務スタイルからの転換を進める。
プロジェクト開始に合わせて専用マイク約100台を設置し、今後はグループ全オフィスの全席へ順次配備する計画だ。最終的には約8,300人のパートナー全員が音声でAIを利用できる環境を整備し、「8,300人で8.3万人分」の生産性実現を目標に掲げる。
背景には、同社が推進する「AI再構築(※)」の成果がある。2026年3月時点で生成AIの業務活用率は97.8%、AIエージェントの活用率は71.4%まで拡大した。パートナー1人あたりの月間業務削減時間は約53.9時間となり、グループ全体では約2,203人分の労働力をAI活用によって創出したという。
同社は今後、音声入力環境の整備と並行して業務AIエージェントの実装も進め、2027年11月までに「日本で最もハイパーオートメーション化された企業グループ」を目指す方針である。
※AI再構築:AIの活用を前提に業務プロセスや組織運営を見直し、自動化や生産性向上を図る企業変革の取り組み。
音声AIは新たな標準となるか
今回の取り組みは、生成AIを導入するだけでなく、AIとの対話方法そのものを見直す試みと言える。音声入力はテキストよりも多くの文脈や意図を自然に伝えやすく、プロンプトの質が向上すれば、生成AIの回答精度や業務効率の改善につながる可能性がある。
一方で、オフィスでの音声利用が広がれば、機密情報の取り扱いや周囲への配慮、静かな執務環境との両立など、新たな運用ルールの整備も求められるだろう。利用環境によっては、テキスト入力との使い分けが必要になる場面も増えると考えられる。
生成AIの活用競争は、「導入するか」から「いかに日常業務へ定着させるか」という段階へ移りつつある。今後、音声入力を標準的なインターフェースとして活用する企業が増えれば、日本企業のAI活用も次のフェーズへ進む可能性がある。
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