JPYC株式会社は、発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」の累計発行額が30億円を突破し、累計口座開設数が19,000件に達したと発表した。
発行ルールの緩和やKaiaチェーン対応などの取り組みを進めるなか、利用基盤の拡大が続いている。
JPYC EX、累計発行額30億円・口座数1.9万件に到達
JPYC株式会社の2026年6月2日の発表によれば、JPYC EXの累計口座開設数が2026年5月30日時点で19,000件に達し、累計発行額は30億円を突破したという。
JPYC EXは、日本円と連動するステーブルコイン(※)「JPYC」の発行・償還を行う公式プラットフォームとして運営されている。
利用者層は個人にとどまらず、スタートアップや既存企業、Web3関連プロジェクトなどへ広がっている。
JPYCはオンライン決済や実店舗決済のほか、キャンペーン報酬の配布、ポイント施策との連携、ブロックチェーンを活用した実証実験など、多様な用途で活用されているという。
直近の大型アップデートでは発行上限ルールが従来の「1日あたり100万円」から「1回あたり100万円」へ変更された。
さらに、LINE上で利用可能なWeb3ウォレット「Unifi」が対応するKaiaチェーンでの発行も開始されている。
同社は、LINEエコシステムとの接点を持つことで、国内外の幅広いユーザー層へのアクセスが可能になったとしている。
なお、JPYCは現在、Avalanche、Ethereum、Polygon、Kaiaの4チェーン上で発行されており、今後もチェーン拡大が検討されている。
※ステーブルコイン:法定通貨などの価値に連動するよう設計されたデジタル資産。価格変動を抑え、決済や送金で利用しやすい特徴を持つ。
実利用拡大の追い風も競争と規制が課題か
今回の発表は、国内ステーブルコイン市場における実利用拡大の動きを示す事例の一つと捉えられる。
JPYCは価格変動リスクを抑えながらブロックチェーン上で資金を移転できるため、企業にとっては決済や送金の効率化につながるメリットがある。
特に、日本円建てで利用できるデジタル決済手段が普及すれば、Web3サービスの利用障壁低下や、新たな金融サービスの創出を後押しする可能性がある。
Kaiaチェーン対応によってLINE利用者との接点が増えれば、一般消費者向けの活用も進むかもしれない。
一方で、市場拡大がそのままJPYCの優位性を保証するわけではない。
今後は金融機関や大手企業によるステーブルコイン事業への参入が進む可能性が高く、流動性や信頼性、加盟サービス数を巡る競争は激しくなると考えられる。
また、ステーブルコイン市場は制度整備の影響を受けやすい分野でもある。
そのため、利用者保護やマネーロンダリング対策などへの対応を継続しながら、実際の利用シーンをどこまで拡大できるかが今後の成長を左右することになるだろう。
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