ユーキャン、ChatGPT活用の英会話講座を開講　挫折しない学習環境をAIで実現

2025年7月23日、通信教育大手のユーキャンは、生成AIを活用した英語学習を提案する「ChatGPT英会話講座」の受講申し込み受付を開始した。AIとの会話を通じて実用英語を身につけられる設計で、初心者や英語学習の再挑戦者を主な対象としている。

ChatGPTと学ぶ英会話講座、ユーキャンが開講　全140レッスンを動画で提供

株式会社ユーキャンは、生成AI「ChatGPT」を活用した新講座「ChatGPT英会話講座」を開講し、7月23日より申込受付を開始した。AIとの対話を軸に据えた構成で、英会話に不安がある学習者にも“恥ずかしさ”を感じず取り組めるスタイルを提案している。

本講座では、英語でChatGPTに話しかけることで、日常会話からビジネス表現までを実践的に習得できる。初学者を意識し、学習の導入では基本操作としてChatGPTへのログイン方法やプロンプト（※）の書き方まで丁寧に解説。全140本・総再生時間約5時間20分の動画は、1本あたり約3分程度にまとめられており、スキマ時間でも手軽に学習できる構成だ。

動画で学んだ知識をすぐにAIとの会話でアウトプットする流れにより、学習内容の定着を図る。内容は実用英会話からビジネス英語、プレゼン表現、試験対策まで幅広く対応し、利用者ごとのニーズや目的に応じた活用が可能である。

料金は一括2万円（税込）、または月額1,850円×11回（総額20,350円）。学習期間は標準2カ月で、動画は4カ月間繰り返し視聴できる。

受講者からの質問回答や添削などの個別サポートは付属しない。

※プロンプト：AIに意図した返答を得るための指示文のこと。ChatGPTのような生成AIでは、このプロンプトの内容が対話の質を左右する。

AI学習の利点と限界　英語教育の新たな選択肢となるか

ChatGPTを活用した学習の最大の利点は、“気兼ねなく話せる相手”としてAIが常に存在する点にある。

対人の英会話に対する不安や恥ずかしさがハードルになっていた層にとって、24時間使えて質問し放題という環境は心理的障壁を大きく下げるだろう。

さらに、AIは相手のレベルに応じて柔軟に応答を変えるため、学習者自身のペースに合わせたトレーニングが可能だ。反復練習や誤りの指摘もAIが相手ならば嫌味を感じることなく受け入れやすく、継続率の向上にも寄与する可能性がある。

一方で、AIとの会話が“自然な対人コミュニケーション”にそのまま直結するわけではない点には注意が必要だ。ChatGPTは表現の正確性や文法的なチェックには優れるが、感情表現や相手の意図を汲み取るリアルな対話力を完全に再現できるわけではないからだ。

今後は、AIによる語学学習が補助的ツールから主軸の一つへと進化することが予想される。今回のユーキャンの講座は、その過渡期における実践的なモデルケースとなる黎明期にあるといっても良いだろう。

従来型の語学学習に限界を感じていたビジネス層にとって、AIとの対話という新たな選択肢が現実味を帯びてきた。