2026年8月27日、NTTドコモビジネスと東京電力パワーグリッドは、最新GPUサーバーに対応する液冷式コンテナ型データセンターを東京23区内へ展開する取り組みに着手した。第一弾は東京都大田区で、都市部のDC不足解消を目指す。
大田区から「コンテナDCパーク」を展開
両社は、生成AIやAIエージェントの普及によって急増するデータセンター需要への対応を目的に、コンテナ型データセンターの構築を開始する。NTTドコモビジネスが持つネットワーク基盤と液冷式コンテナ型データセンターの構築・運用ノウハウに、東京電力パワーグリッドの安定した電力供給基盤を組み合わせる形だ。
第一弾プロジェクトでは、東京都大田区にコンテナ型データセンターを設置する。短期間で構築でき、需要に応じて拡張しやすい点が特徴で、複数の拠点を設置・運営できる「コンテナDCパーク」として東京23区内への展開を目指す。
施設には、最新GPUサーバーの冷却に対応する液冷方式を採用する。
AI処理では高い計算能力を持つGPUの利用が拡大する一方、従来型の建屋型データセンターでは用地確保から建設、稼働までに時間を要するうえ、膨大な消費電力への対応も課題となる。こうした制約に対し、両社は都市部に柔軟に配置できる設備によって需要を取り込む考えである。
今回のデータセンターは、NTTドコモビジネスが提唱する「AI-Centric ICTプラットフォーム®(※)」構想の一翼を担う拠点にも位置付けられる。すでに申し込み受付を開始しており、AI時代を支える計算基盤としての活用が想定される。
※AI-Centric ICTプラットフォーム®:NTTドコモビジネスが提唱する、AI時代に求められる「分散」「柔軟」「安全」「リーズナブル」といった要件に適した次世代ICTプラットフォーム構想。
都市部の分散配置がAI基盤を変える可能性
今回の取り組みが進めば、都市部におけるデータセンターの「分散配置」という新たなモデルにつながる可能性がある。利用者に近い場所へ計算基盤を配置できれば、外部システムとの連携やリアルタイム処理が求められるビジネス用途にも対応しやすくなると考えられる。
さらに、コンテナ型であることから、需要の増加に合わせて設備を追加しやすい点も強みだ。生成AIやAIエージェントの利用が広がる中、必要な場所へ必要な規模の計算資源を配置する仕組みは、企業のデジタル化を後押しする基盤になり得る。
一方で、AI処理に伴う膨大な電力需要への対応は引き続き重要な課題となる。今回の計画では電力基盤とデータセンター技術を組み合わせるが、今後の展開規模が大きくなれば、安定した電力供給と設備拡張を両立する必要性も高まるだろう。
両社は今後、設備仕様の策定や製造メーカー、施工会社などとの連携を強化する方針だ。
大田区での第一弾を起点に、東京23区へ分散型のAI計算基盤を広げられるかが、都市部のデータセンター不足解消と次世代ICT基盤の構築を左右するポイントとなるだろう。