ナレッジセンスは、法人向けAIエージェント「ChatSense」のスライド生成AIで、PDF資料を取り込み、その雰囲気に近いPowerPointを生成できる機能を実装予定だと発表した。
会社案内や営業資料など既存資料のトーンを活用し、資料作成の効率化を支援する。
PDFを参考にスライド生成
ナレッジセンスが提供するChatSenseは、大企業向けにスライド生成AIを展開している。
プロンプトを入力するだけで、構成、デザイン、文章を含むプレゼン資料を自動生成し、そのままPowerPointファイル(PPTX※)として出力できる点を特徴としている。
法人利用を想定したセキュリティ機能や社内データ活用機能を強みとしており、東証プライム上場企業を含む大手企業など500社以上に導入されているという。
2026年6月4日、同社は、手元のPDF資料をもとにデザインや雰囲気を読み取り、似たトーンのスライドを生成する機能を実装予定だと発表した。
会社案内、営業資料、ホワイトペーパー、調査レポートなどを参考資料として使うことで、ブランドや資料トーンに沿ったプレゼン資料を作成しやすくなるという。
背景には、企業現場で既存資料と同じ雰囲気のPowerPointを作りたいという需要がある。
従来は、既存資料を都度テンプレート化して再利用することが難しく、ブランドに合わせるために手動調整が必要となるケースがあった。
また、本機能は既存のスライド生成フローを変更するものではなく、独自テンプレートの利用やPPTX出力にも引き続き対応する予定だ。
※PPTX:Microsoft PowerPointで主に使われるプレゼンテーション用ファイル形式。
スライド生成AIは資料制作の標準化を支える存在へ
今回発表された機能のメリットは、企業資料に求められる「らしさ」を保ちながら、スライド作成の初期工程を効率化できる点にありそうだ。
営業提案や社内報告、ホワイトペーパーの再構成では、内容の正確さだけでなく、色使いや余白、構成の統一感も品質を左右すると考えられる。
PDFを参照元として活用できれば、担当者はレイアウト調整の負担を減らし、内容の精査や顧客ごとの最適化に時間を割きやすくなるだろう。
一方で、AIが既存資料の雰囲気をどこまで正確に再現できるかは課題になりそうだ。
ロゴ、配色、フォント、図表の扱いが企業のブランドガイドラインに沿わなければ、最終的には人による修正が欠かせないだろう。
また、社内資料や営業資料には機密情報が含まれ得るため、どのPDFを取り込み、どの範囲で参照させるかという運用設計も重要になるとみられる。
今後、スライド生成AIは単に資料を自動作成するツールではなく、企業ごとの表現ルールを反映する業務基盤へ進化していく可能性がある。
ナレッジセンスがPDF参照によるトーン再現を実用化できれば、法人向け生成AIは文章作成や検索支援にとどまらず、営業・広報・経営企画の資料制作フローを支える存在になっていきそうだ。
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