ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、PS5システムソフトウェアアップデートを通じて、進化版PSSRの段階的な提供を開始した。
対応ゲームでは髪や草木などの細部描写や映像の安定性が向上するとしている。
PS5 ProのAI超解像PSSRが改良
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は3月17日、PS5システムソフトウェアアップデートにより、AIアップスケーリング技術「PSSR(PlayStation Spectral Super Resolution)」の進化版を順次提供すると発表した。
配信は日本時間17日午後2時から段階的に開始され、数日かけてすべてのユーザーに提供される予定だ。
PSSRは、ゲーム映像の各フレームをピクセル単位で解析しながらアップスケールを行うAIライブラリで、PS5 Proの画質向上を支える技術の一つである。
今回のアップデートでは画像再構成アルゴリズムとモーション処理が改良され、草木や髪の毛といった細かなディテールの再現性が向上したほか、動きの多い場面でのチラつき抑制なども改善された。
すでに複数のゲームスタジオが進化版PSSRの採用を進めている。
対応タイトルとしては『SILENT HILL f』『モンスターハンターワイルズ』『FINAL FANTASY VII REBIRTH』『紅の砂漠』などが挙げられているほか、『CONTROL』『Alan Wake 2』『仁王3』『Rise of the Ronin』『ドラゴンズドグマ 2』などでも対応が拡大している。
PSSRはPS5 Pro向けタイトル全般に適用可能だが、タイトルごとの相性によって予期せぬ視覚効果が発生した場合には、設定画面からいつでも機能をオフにできるオプションも用意されている。
SIEによると、新しいPSSRで使用されるアルゴリズムとニューラルネットワークは、AMDとの協業プロジェクト「Project Amethyst」に由来している。
AI超解像が変えるゲーム機の技術競争
今回の改良のメリットは、ハードウェア性能の制約を補いながら映像品質を高められる点だろう。AIにより、少ない計算量で高精細な映像を再構成できれば、リアル志向のゲームに大きく寄与できると考えられる。
特にオープンワールド作品では描画負荷を抑えつつ視覚品質を維持できると考えられるため、ゲーム機の寿命を延ばす技術基盤になる可能性がある。
一方で課題もありそうだ。
AI補完はタイトルごとの最適化に依存するため、作品によっては不自然な質感やノイズが発生する恐れがある。
また、精度向上には継続的な学習やアルゴリズム改良が必要であると考えられるため、開発側の負担増につながる可能性も否定できない。
今後はゲーム機の競争軸がGPU性能だけでなくAI画像処理能力へと移行していく可能性がある。
AI超解像に加え、ライティングや影表現、アニメーション補間などへ応用が広がれば、ゲーム表現の幅はさらに拡大するだろう。
ただし最終的な品質はゲームエンジンや最適化に左右されるため、対応タイトルの拡大と開発ツールの成熟が普及の鍵を握るとみられる。
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