ガイアックスは、千葉県佐倉市の里山保全に取り組む「佐倉里山DAO」の始動を発表した。
保全活動を「クエスト」として募集し、地域内外の参加者と活動団体をつなぐ。
DAOの仕組みを活用し、担い手不足の解消と関係人口の創出を目指す。
佐倉里山DAO始動、保全活動をクエスト化
2026年10月6日、ガイアックスは、同社が開発するDAO(※)運営基盤「DAOX」を活用した「佐倉里山DAO」を始動した。
同日からLINEオープンチャットで参加受付を開始し、10月以降に里山保全活動を順次実施する。
特徴は、草刈りや竹の伐採、水路の手入れ、農作業などを「クエスト」として募集する点にある。
参加者は移住や継続的な居住を前提とせず、都合の合う日に1回から活動へ参加できる。
10月16日には、畔田谷津で台風により流入した土砂や稲わらの撤去作業も予定されている。
DAOXでは、クエストの申し込みから活動履歴の管理までを一元化する。
写真や手順書などの共有には、Casley Deep Innovationsが提供する仕組みを連携させ、活動記録などの保管には分散ストレージ「furehako」を活用する。
背景には、里山保全を担う市民団体の高齢化がある。
佐倉市は2024年に「佐倉里山大学」を開校し、人材育成を進めてきたが、育成した人材と既存団体をつなぐ仕組みも求められている。
同DAOでは参加者による意思決定も重視しており、月1回の定例日程は投票で決定した。
運営方針についても、参加者自身が意思決定に関わる仕組みを取り入れている。
※DAO:Decentralized Autonomous Organizationの略称。分散型自律組織と訳され、参加者が共通の目的に向けて意思決定や運営に関わる組織形態。ブロックチェーンを活用する例もあるが、導入は必須ではない。
地域参加の裾野拡大に期待、継続性が課題
今回の取り組みは、里山保全への参加障壁を下げ、地域外の人材を継続的な担い手へと育てるモデルになり得る。
保全活動をクエストとして可視化することで、参加方法が分からなかった人も行動を起こしやすくなるだろう。
都心から約1時間という立地も、週末などの参加を後押しすると考えられる。
また、DAOXによる活動履歴の蓄積は、参加者の貢献を把握するうえで有効だろう。
記録を次回の活動案内などに生かせれば、活動団体との関係構築にもつながる。
企業の地域貢献や学生の学習機会として活用が広がれば、新たな人材の参加も期待できる。
一方、参加が一度きりで終われば、担い手不足の根本的な解消にはつながりにくい。
草刈りや水路管理などでは安全面への配慮も必要であり、初心者を受け入れる体制が求められる。
さらに、参加者が増えれば、活動団体側の募集や受け入れの負担が大きくなる可能性もある。
継続的な活動には、受け入れを円滑に進める運営体制が重要だ。
今後は、継続参加を促す仕組みが機能し、担い手確保につながるかが焦点となる。
佐倉市で成果を上げれば、DAOを活用した地域資源の保全モデルとして、他自治体への展開も期待できそうだ。
関連記事:
鳥取県伯耆町が地域おこし協力隊DAOを開始 デジタル発信で関係人口創出へ

北海道今金町とあるやうむ、DAO活用の地域おこし協力隊を始動 地域外参加型の地方創生へ

DEAなど、さいたま市で「ピクトレ」活用の街路灯点検実証を発表 市民撮影データをAI分析
