ソフトバンクは米AI企業Sierraとの戦略的パートナーシップ締結を発表した。日本国内でSierraの対話型AIプラットフォームの独占販売を開始し、AIエージェントを活用したカスタマーサポートの高度化を推進する。
ソフトバンク、SierraのAIを国内独占販売
ソフトバンクは2026年7月13日、米国のAI企業Sierraと、日本市場における戦略的パートナーシップ契約を締結したと、同月14日に発表した。
これに伴い、ソフトバンクはSierraの対話型AIプラットフォームの国内独占販売代理店となり、7月14日から法人向け販売を開始している。
Sierraのサービスは、目標指向型AIエージェント(※)を活用し、問い合わせへの回答だけでなく、その後の各種手続きを自律的に実行できることが特徴だ。
企業ごとのブランド方針や業務ルール、ナレッジを反映したAIを構築できるほか、音声・テキスト双方に対応しており、ユーザーとの対話や問い合わせ内容を基に継続的な性能改善も行える。
ソフトバンクはオンライン専用ブランド「LINEMO」のカスタマーサポートへ同サービスを導入し、有効性を検証した。その結果、既存システムと比較して問い合わせ解決率は83%から97%へ、顧客満足度は74%から93%へ向上したという。
今後は「ソフトバンク」「ワイモバイル」、さらにグループ会社への導入も検討している。
本契約では、ソフトバンクが販売や国内展開を担い、SierraはAIエージェントの設計、環境構築、導入支援、運用を担当する。
両社は、日本企業の顧客対応業務の効率化と高度化を進め、顧客体験の向上を目指すとしている。
※目標指向型AIエージェント: 利用者の目的を理解し、その達成に必要な対話や業務を自律的に実行するAI。回答に加え、各種手続きまで一貫して処理できる点が特徴。
AI顧客対応の普及加速へ 期待と課題
今回の提携は、日本企業におけるAIエージェント活用の本格化を後押しする可能性がある。人手不足が続く中、24時間対応の実現やオペレーターの負担軽減、問い合わせ品質の均一化といった効果が期待できそうだ。
また、顧客対応で蓄積したノウハウを営業やバックオフィスへ展開できれば、企業全体の業務効率向上にもつながるだろう。
一方で、AIが自律的に手続きを実行する範囲が広がるほど、誤判断や想定外の対応、個人情報管理、システム障害時の責任分担といった課題も重要性を増すと思われる。
また、企業ごとに業務フローや承認プロセスは異なるため、AI任せではなく、人による監督体制を組み合わせた運用も求められるだろう。
今後、実証導入で成果を示す企業が増えれば、AIエージェントはカスタマーサポートの標準基盤へ発展する可能性がある。その際は、導入効果だけでなく、ガバナンスや運用品質を含めたAI活用力が企業の競争力を左右する重要な要素になると考えられる。
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