ENECHANGEとスクウェア・エニックスは、生活者の脱炭素アクションを後押しする新サービスの共同開発を開始すると発表した。
2026年内の提供開始を予定しており、ゲーミフィケーションとブロックチェーンを組み合わせ、継続的な環境配慮行動を促す仕組みを構築する。
ゲーム性とOasysで脱炭素行動を促進
2026年6月29日、ENECHANGEとスクウェア・エニックスは、生活者が日常生活の中で脱炭素に取り組みやすくする新サービスを共同開発すると発表した。
サービス開始は2026年内を予定しており、本プロジェクトは環境省の「デコ活」推進事業における補助金採択事業として進められる。
本サービス開発の背景には、日本政府が2050年のカーボンニュートラル実現と、2030年度までに温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減する目標を掲げていることがある。
家庭部門では66%の削減が求められる一方、「何をすればよいか分からない」「継続が難しい」といった課題があり、生活者の行動変容を促す仕組みづくりが求められている。
新サービスでは、節電や省エネなどの脱炭素アクションを「ミッション」として提示し、達成するとポイントを獲得できる設計となる。
さらに、オリジナルキャラクターの育成要素を取り入れ、キャラクターの成長に応じて報酬が増える仕組みを採用する予定だ。
獲得したポイントは共通ポイントやサービス内ゲームアイテムへの交換を想定しており、広告や企業・団体からのスポンサー収入を原資として運営される。
また、自治体や企業との連携を通じてミッションを継続的に追加・更新し、地域課題への理解促進やGX関連製品・サービスの体験機会も提供する計画である。
加えて、Proof of Stake(※)方式を採用するブロックチェーン「Oasys」を活用し、データの改ざんが困難な仕組みによって透明性と信頼性の確保を図る。
※Proof of Stake:暗号資産やブロックチェーンで利用される合意形成方式の一つ。保有量などに応じて取引承認を行うため、計算処理量が少なく、Proof of Workと比べて消費電力を抑えられる特徴がある。
ゲーム体験が脱炭素参加の壁を下げる可能性
今回の取り組みは、環境問題への関心を高めるだけでなく、「楽しさ」を入り口として行動変容を促す点が特徴であると言える。
脱炭素は重要性が広く認識される一方で、日々の生活の中では継続が難しいという課題がある。そのため、ゲーム性や報酬を組み合わせることで、環境配慮行動を日常習慣として定着させる効果が期待される。
また、スクウェア・エニックスが培ってきたエンターテインメントのノウハウと、ENECHANGEのエネルギー分野における知見を組み合わせることで、従来の環境啓発アプリとは異なる体験価値を提供できる可能性がある。
自治体や企業との連携が拡大すれば、地域ごとの課題解決やGX施策の普及にも波及効果をもたらすかもしれない。
一方で、サービスの成否は継続率に左右されるだろう。ポイント獲得だけが目的となれば、本来の脱炭素意識の醸成につながりにくくなる可能性もあるため、ゲーム性と社会的意義の両立が重要になるはずだ。
また、スポンサー収入を基盤とする仕組みである以上、長期的に魅力的なコンテンツや提携先を維持できるかも普及の鍵となり得る。
環境分野とゲーム、さらにブロックチェーンを組み合わせた今回の試みは、Web3技術を社会課題の解決へ活用する事例としても注目できる。
今後、利用者の定着や自治体・企業との連携実績が積み重なれば、脱炭素アプリの新たなモデルケースとして発展する可能性もありそうだ。
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