SBIホールディングスは、暗号資産取引所「bitbank」を運営するビットバンク株式会社の完全子会社化に向けた基本合意書および株式譲渡契約を締結した。
SBIによれば、預り資産残高は国内首位、口座数も国内トップクラスとなる見込みで、総合的に国内最大規模の暗号資産グループとなるとしている。
SBI、ビットバンクを467億円で完全子会社化へ
SBIホールディングスは、完全子会社のSBICAH合同会社を通じてビットバンクを完全子会社化する基本合意書及び本株式譲渡契約を2026年6月25日に締結した。
廣末紀之CEOやその他個人株主から株式を取得した後、第三者割当増資を引き受け、さらにMIXIとセレスが保有する株式をビットバンクが自己株式として取得する一連の取引を実施する。
これにより、最終的にSBIグループがビットバンクの議決権100%を保有する予定である。
取得価額は株式取得と増資引受を合わせて467億円となる。
本取引は公正取引委員会による企業結合審査などの前提条件を満たしたうえで、2026年10月頃の完了を予定している。
ビットバンクは2014年設立の暗号資産交換業者で、暗号資産取引所「bitbank」を運営している。創業以来ハッキング被害ゼロを維持してきたセキュリティ体制を強みとする企業である。
SBIグループは現在、SBI VCトレードを中心に暗号資産事業を展開している。
SBI VCトレード及びビットバンクの2026年4月末時点の数値を単純合算すると、預り資産残高は約1.1兆円、口座数は約292万口座となる見込みで、SBIによれば預り資産残高は国内首位、口座数でもトップクラスの規模となる。
グループは両社の顧客基盤やサービス開発力、セキュリティ・コンプライアンス体制を生かし、デジタルアセット(※1)やステーブルコイン関連事業の拡大も進める方針だ。
※1 デジタルアセット: ブロックチェーン技術を活用して発行・管理される資産の総称。暗号資産やステーブルコイン、トークン化された証券などが含まれる。
業界再編が進む一方、統合効果が成否を左右するか
今回の買収は、国内暗号資産業界の競争環境を大きく変える可能性がある。
顧客基盤や預り資産が拡大することで、システム投資やセキュリティ対策、商品開発をより効率的に進められるようになり、新サービスの投入スピードも向上するかもしれない。
特に、SBIグループが推進するステーブルコインやオンチェーン金融(※2)との連携が進めば、従来の暗号資産取引を超えた金融サービスへ発展する余地もある。
一方で、大規模な統合には課題も残る。
システムやサービスの統合、ブランド戦略の整理に加え、公正取引委員会の審査を経る必要があり、計画どおりに進むとは限らない。また、市場シェアの拡大によって競争環境が変化するため、他の交換業者がサービス強化や提携を進める可能性もある。
今後は、SBIグループが統合によるシナジーをどこまで具体的なサービスや収益拡大につなげられるかが注目点となるだろう。
※2 オンチェーン金融: ブロックチェーン上で送金や決済、資産管理などの金融サービスを提供する仕組み。仲介を減らし、効率的な取引を実現できると期待されている。
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